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相続財産に含まれるもの

相続財産の含まれるか否か

原則として、被相続人の死亡により相続人への相続が開始されます。そして、相続開始時に被相続人が所有していた財産(相続財産といいます)を相続人が取得することになります。
各相続人の相続分も重要ですが、相続財産は各相続人が取得できる元となる財産ですから、遺産分割の前提として重要な要素となることは間違いありません。
(関連記事:遺産分割協議の流れ・進め方

では、その相続財産とは一体どのような財産が含まれて、どういった財産が対象外となるのでしょうか?

相続の対象となる財産とは

相続財産に含まれる一般的なものとして、現金、預貯金、不動産、株券といったものがあります。こういったプラスの財産を積極財産といいます。逆に、借金、保証債務といったマイナスの財産を消極財産といいます。
相続人が相続の開始を知った時から、何もせず3ヵ月が過ぎると法定相続分通りに相続したものとして扱われます。すなわち、積極財産も消極財産もどちらとも相続することになります。

被相続人がどんな財産を持っていたか、一緒に生活していてもわからない場合があります。ましてや、遠く離れて生活していれば尚更わからないでしょう。
わからないまま単純承認すると、被相続人の財産が消極財産のほうが多い場合は、否応なしに相続することになります。
前もって、消極財産のほうが多いことがわかっていれば相続放棄することもできます。(民法938条)
また、相続財産が多種多様で積極財産も消極財産もある場合は、積極財産の限度で相続する限定承認も可能です。(民法922条)

いずれにせよ、相続が開始したら被相続人にはどのような財産があるのか調べるのがまずは重要です。

相続できる財産、できない財産

民法896条

相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

原則的には、「被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」と、ある通りです。
しかし、下線部にあるように一部例外があります。この一身に専属したものを一身専属権といいます。一身専属権は被相続人だけに帰属し、相続人に帰属することのできない性質をもった権利義務をいいます。ほとんどが身分上の関係から生ずるものですが、扶養請求権、離婚に伴う財産分与請求権などがこれにあたります。
また、お墓、墓地、仏壇、位牌などの祭祀財産は相続財産から除外され、祭祀を主宰する者が承継することになっています。(民法897条)

これまでの説明だと、果たして以下のものは相続財産に含まれるものかどうか?
実際の相続の際に問題になりそうなものをあげてみました。

・著作権など:特許権、実用新案権、商標権、意匠権といった、工業所有権も著作権も相続の対象となります。ただし、著作人格権といわれる公表権、氏名表示権などは相続の対象にはならず、著作者の遺族の固有の権利となります。
・遺骨:過去の判例では、遺骨にも所有権があり相続できるとしています。

消極財産(マイナス財産)には他に何があるのか

相続財産に含まれるもので、消極財産は他にどういったものがあるのでしょうか。

家賃の支払い債務、滞納税金、罰金納付義務も、相続対象だとする判例が過去には出ています。もちろん一身専属的な債務は相続対象にはなりませんので、扶養義務や身元保証債務は一身専属権ですので相続されません。ただし、身元保証債務は損害が発生して金額の確定がしたものは、通常の金銭債務に転化しているため相続の対象となります。

では、連帯債務、連帯保証はどうなるのか。
連帯債務は2人以上の者が連名で債務を負担して、各債務者が全額について返還義務を負うものをいいます。連帯保証は債務者と同じ責任を負う内容の保証です。

連帯債務に関して判例は、金銭の連帯債務は各共同相続人はその相続分に応じて、法律上当然に分割された債務を承継し各自承継した範囲において、本来の債務者と共に連帯債務者になる、としています。連帯保証についても同様に、相続の対象になると考えられています。

相続を承認した後にわかった借金はどうなるのか

借金などの消極財産(マイナスの財産)の方が多いことがわかっていれば、相続放棄や限定承認をすればよいのですが、自分のために相続の開始があったときから3ヶ月以内でなければなりません。

では、相続承認後に多額の借金があることがわかった場合、その借金は相続しなければならないのでしょうか?

このような場合に判例は、「自分のために相続の開始があったことを知ったとき」とは、被相続人の死亡を知ったときではなく、自分が法律上の相続人となったことを知ったときをいい、3ヵ月以内に相続放棄をしなかったのが、被相続人に相続財産が全くないと信じたためであり、そう信じるについて相当の理由があると認められるときは、借金を含む相続財産の全部または一部の存在を認識したときから熟慮期間(3ヵ月)は起算する、としています。

よって、このような場合は、借金の存在を知ったときから3ヵ月の間は相続放棄することができるということです。(関連記事:3ヶ月経過後の相続放棄

相続財産に含まれるものまとめ

相続財産の範囲は、遺産分割を行ううえで重要な要素になってきます。また、プラスの財産よりもマイナスの財産の方が多ければ、すぐに相続放棄を検討しなければいけませんので、どういったものが相続財産に含まれるのかは絶対に知っておかなければいけない内容です。

よく間違われる財産の典型例として生命保険金等があげられます。生命保険金については、法律上は受取人固有の財産であるにも関わらず(ただし、税務上はみなし相続財産となる)、なぜが遺産分割でそのお金を分けようと考える方がいますが、それは間違っています。なぜなら、生命保険金は相続財産ではないからです。(関連記事:生命保険金は相続税の課税対象か

厳密にいえば、被相続人が所有していた価値のないボールペン一本についても相続財産に構成されることになりますが、遺産分割の実務上は、価値があるものと債務についてしか遺産分割を行いません。

相続財産の範囲についてよく理解をして、さらに相続実務に照らし合わせて、遺産分割を行うようにしましょう。
遺産分割協議の流れや進め方については、こちらの記事が参考になると思います。
遺産分割協議の流れ・進め方

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・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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