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遺産分割を放置するデメリット

時が経つことのデメリット

誰が、どのように相続財産を引き継ぐか、民法ではまず、被相続人の最後の意思である遺言によるものとし、遺言が無い場合には、法定相続分の定めに従って相続財産の帰属が決まるものとされています。(関連記事:民法上の法定相続割合
このように相続については、被相続人の意思である遺言は、できる限り尊重することになっています。しかし、被相続人の遺言が絶対というわけではありません。

相続財産を引き継ぐ側、つまり相続する側の意思も当然に尊重されなければならないからです。たとえ遺言があっても、相続人全員の合意による遺産分割協議が成立すれば、この協議の決定は有効とされています。(関連記事:遺言があっても遺産分割できるのか

したがって、相続人は、全員の合意がありさえすれば、被相続人の意思も、法定相続分の定めにも反して、自由に各々の相続分を決定することができるということです。

遺産分割を放置してしまう原因は

遺産分割を放置してしまう原因としてはいくつか上げられます。

・遺産分割協議をしたが意見がまとまらない
・どんな遺産があるのかわからない
・他の相続人と連絡がとれない、居場所がわからない
・未成年や認知症の相続人がいる

このような場合、遺産分割協議はしたものの確定せず放置してしまった場合や、そもそも遺産分割協議をおこなっていない場合などがあります。

遺産分割を放置することの6つのデメリット

相続人全員による合意で決定する遺産分割を放置した場合には、どうなってしまうのか、果たしてデメリットはあるのでしょうか。遺産分割には、いつまでにやらなければならないという期限はありません。しかし、放置することによるデメリットはたくさん存在します。


①遺産の相続ができない
まず、前提として遺産分割をして誰が財産を相続するか決めない限り、相続ができません。不動産の相続、株券や預貯金の相続など遺産分割協議を経て、遺産分割協議書を作成し相続をします。その遺産分割を放置すれば、当然に相続財産はそのままの手つかずの状態になり、被相続人が残してくれた財産に相続人は一切手を付けることができません。それは、相続人たちにとって損失を意味するでしょう。

②相続による手続きの申告には期限がある
相続が開始されると色々な手続きが発生します。例えば、相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日から10ヶ月以内、相続の放棄をしたい場合には、3ヶ月以内と申告期限が決められています。この期限を過ぎてしまうと、最悪、申告を受付けてもらえなかったり、相続税などの税金関係の場合には追徴課税などのペナルティが発生する場合もあります。そもそも相続税の申告をするためには、遺産分割をして財産を相続する必要がありますので、遺産分割は放置せずに早めに取り掛かるべきでしょう。
(関連記事:遺産分割協議が整わない場合の相続税申告

③費用がかかる
不動産の相続にいえることですが、遺産分割を放置すれば相続ができないわけですから、その不動産を売却することもできません。名義も被相続人のままです。不動産には、毎年、固定資産税や都市計画税などの税金がかかってきます。当然、管理もしなければならないため、管理費用もかかります。もし、その不動産が原因で誰かに損害を与えた場合には、例え被相続人の名義のままであったとしても、相続人が実質責任を負うことになります。となれば、遺産分割をしっかりとおこない、不動産の売却の意思があるのであれば、早急に取り掛かるべきでしょう。
(関連記事:相続不動産を売って分ける換価分割の方法

④相続財産が無くなってしまう恐れ
時間が経過すればするほど、物の行方が分からなくなってしまうことはよくあります。引越しをしたり、片づけをしたりと、気付いたときには、「あれ?どこにしまった?」みたいなことがあります。相続財産のなかに、価値のある骨董品や美術品、被相続人の形見など、手元に残しておきたい物は必ずあるはずです。なので、遺産分割はすぐにおこない財産を分けておくべきです。遺産分割を放置することで、大事な財産を失ってしまうリスクがあります。

⑤次の相続が始まってしまう
遺産分割が確定する前に、その相続人が亡くなってしまうなんてケースもあります。その場合、最初の相続が済んでいないのに次の相続が発生します。(数次相続といいます。)
こうなってしまうと、相続関係が非常に複雑化してしまいその後の手続きなどが難解になってしまいます。
(関連記事:代襲相続と数次相続の違い

⑥勝手に相続登記をされてしまう
共同で相続人がいる場合、遺産分割を放置することによって、不動産を勝手に共有名義で登記されてしまう恐れがあります。遺産の分割が確定するまでは、相続財産は相続人間の共有財産になっています。この際の持分割合は、法定相続分に従います。ですから、遺産分割協議が確定していなくても、共有持分による相続登記はできてしまうということです。本来、不動産の相続人が自分であるのにも関わらず遺産分割を放置していると、他の相続人が勝手に共有登記をしてしまい、その持分を第三者に売却されてしまうことも考えられます。そうなると、本来の相続人からしてみれば損失になってしまいます。
(関連記事:法定相続分での相続登記

遺産分割をしないリスクを理解する

相続業務を日々行っていると、遺産分割をしないまま放置している方は結構多くいらっしゃいます。
権利意識が高まった今でこそ信じられないのですが、遺産分割を口約束でしたままで、そのまま今現在まで来てしまっているお話を聞きます。
たしかに相続税申告がなければ内々の話し合いで済ませてしまっても問題ないと考えてしまうのかもしれませんが、後々に次の世代で問題となることも大いにありえる話ですから、できる今のうちに適切な遺産分割をしておくべきです。
また、単に相続登記費用がもったいないからといった理由で、遺産分割をせずに名義変更を放置される方もいます。数次相続が絡む場合には登記手続きも複雑になりますし、相続人が変わってしまうと、そもそも遺産分割をすることができなくなるリスクだってあります。
放置してしまうデメリットは想像以上に大きいですから、遺産分割は「できる時」「するべき時」に必ず適切に行うようにしましょう。

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25.
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18
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司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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