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自筆証書遺言とは

自筆証書遺言って?

遺言は、自分の死後に、残った財産の処分方法などを言い残す手段となり、死んでいく人の最後の意思表示と言えます。

遺言者の意思であれば、どんな内容でも、どういう方法で遺言を残しても有効かというと、そういう訳でもないのです。

民法960条で、「遺言は、この法律の定める方式に従わなければ、することができない。」と規定しています。ここで言っている方式によらない遺言は、道義的はともかく、法律的には一切の効力をもちません。

民法で規定している遺言の方式には、3つの普通方式と、4つの特別方式があります。

その中で今回は、普通方式の自筆証書遺言について説明していきます。
(関連記事:
秘密証書遺言とは 公正証書遺言とは

自筆証書遺言書の概要

自筆証書遺言について、民法では以下の様に規定しています。

 

民法968条

(1)自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。

(2)自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

 

文字通り、遺言者本人が自分で書く遺言書のことです。

遺言者本人が、遺言書の全文を書き、それに日付、氏名を書いて印を押すという方式です。

まず、遺言者本人が自書するということですから当然パソコンで作成した遺言書や、他人が代筆したものは、無効となります。

※遺言者が他人に手を支えられてその補助で書いた遺言書の効力が争われたケースでは無効となることが多いですが、身体が不自由な遺言者の場合については、そのようにして書かれた遺言書は有効とした裁判所の判例もあります。

 

日付については、書き漏れ、存在しない日付(2月30日など)、あいまいな日付(吉日など)は、すべて無効となります。

※具体的な日付でなくとも、例えば遺言者の「○○歳の誕生日」というように、作成日が特定できれば問題ありません。

 

氏名と印については、無いものはもちろん無効となります。印は、実印である必要はありません。ただし、拇印については裁判所の判断が分かれていますので、トラブルを避けるためにも実印か認印を使用するのがよいでしょう。

また、遺言書を書き間違えた場合の訂正方法については、民法の定める方式で訂正しないと、訂正自体が認められなかったり、遺言書そのものが無効となってしまう場合もありますので注意が必要です。

なお、自筆証書遺言は家庭裁判所の検認手続きを受けないと、遺言の執行はできません。

 

この検認手続きとは、遺言書が真実か、遺言者本人が作成したものかをチェックするだけです。有効性や、内容の正否を判断するものではありません。

よって、検認手続きが無事済んだとしても、遺言の内容を相続人同士で争うことも可能です。また、検認手続きを経ないと遺言が無効になるわけではありません。ただし手続きを怠った場合には、5万円以下の過料となります

 

自筆証書遺言のメリットとデメリット

自筆証書遺言のメリットとして、いつでも誰にでも簡単に作成できるという点があります。紙とペン、印鑑があればその他の費用もかかりません。ほかの方式では必要な、証人や立会人も不要です。また、自分が死ぬまで、遺言内容を秘密にしておけるという点もあります。

しかし、簡単な反面、デメリットも多いのが自筆証書遺言です。

いつでも自分だけで作成できるということで、方式に不備があり遺言書自体が無効になってしまうケースも多いようです。

また、本人以外の第三者によって、内容の変造や偽造をされやすいのも事実です。

遺言書の紛失や、不利な立場の相続人が遺言書自体を隠してしまうという保管面での心配ごともないわけではありません。

更に、遺言者の死後に、家庭裁判所の検認手続きを経ないと遺言の執行ができないという点においては、非常に手間がかかってしまいます。

このようなデメリットを考えると自筆証書遺言よりも、費用はかかってしまうが最も安心安全で確実な公正証書遺言にするべきでしょう。自筆証書遺言と公正証書遺言の違いについては、こちらの記事が参考になると思います。≫自筆証書遺言と公正証書遺言の比較

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