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遺産分割調停による相続登記

協議が整わない場合は調停の方法も

遺産分割協議は、相続人全員が同意することが必須の条件となります。会社の会議のような多数決で決まるものではありません。相続人のうち、1人でも納得しなければ遺産分割協議は不成立となります。(関連記事:遺産分割による相続登記について
遺産分割協議が不成立の場合には、根本的な解決にはなりませんが、法定相続通りに処理してしまうか、家庭裁判所へ遺産分割調停を申し立てて解決への道を選ぶ方法があります。

遺産分割調停は、家事審判官(裁判官)と調停委員(裁判所から任命された民間人)で組織される調停委員会が、中立公正な立場で各相続人の言い分を平等に聞いて調整をし、具体的な解決策を提案するなどして、話し合いで円満解決できるように斡旋する手続きです。
遺産分割調停は、原則、調停期日に当事者その他の関係者を出頭させて非公開で行われます。

相続に関する知識が豊富な専門家である調停委員が、第三者として中立な立場で間に入ってくれるため、当事者同士の話したいよりは冷静に進められ、建設的かつ具体的な解決方法が見つかる可能性があります。
(遺産分割調停は、相続人全員の参加が原則のため、協力しない相続人が1人でもいると不成立となってしまします。また、数か月から1年くらいの期間を要するのが一般的なため、時間がかかる覚悟は必要になるでしょう。)

遺産分割調停において当事者間に合意が成立し家庭裁判所が相当であると認めると、これを調停調書に記載することにより遺産分割調停は成立となります。
遺産分割調停が成立すると、確定した審判と同じ効力を有します。なので、「登記を移転する」などの具体的な義務を定めた調停調書の記載は、それだけで非常に強い効力を持っています。不動産を相続する相続人は、調停調書の謄本を相続を証する書面として添付することで、他の相続人の協力を得ることなく単独で登記申請をすることが可能となります。

遺産分割調停が成立したら相続登記をする

遺産分割調停が成立したら、相続登記の手続きに移ります。

遺産分割調停による相続登記に必要なものは以下のとおりです。

◆必要書類
・登記申請書
・登録免許税納付用台紙
・遺産分割調停書謄本(正本の必要はありません)
・被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本(または除籍謄本)
※調停調書に記載されている被相続人の最後の住所地と、登記簿上の住所が異なる場合には必要
・相続人の住民票(または戸籍の附票)
・固定資産評価証明書(相続登記を出す年度のもの)
・委任状(司法書士などの代理人に依頼する場合には必要)

調停調書により相続人の関係が明らかであるため、その他通常の相続登記の際には必要となる被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍謄本や相続関係図、印鑑証明書などの提出が不要となるため、準備する書類の数は少なくて済みます。

◆費用
・登録免許税:不動産評価額の1000分の4
※計算した金額の100円未満については切り捨てとなります。また、金額が1,000円に満たない場合には、1,000円になります。(最低額1,000円)
・依頼料:司法書士などの専門家へ依頼する場合には、その費用

◆申請先
・不動産の所在地を管轄する法務局
不動産が全国各地にあり、相続登記をする法務局の管轄がそれぞれ異なる場合には、それぞれの法務局で相続登記をすることになります。
※被相続人の住所地ではありません。(一致している場合もあります。)

申請後、法務局でおよそ1週間~2週間ほどの審査機関を経て、問題がなければ登記は完了となります。毎年3月~5月にかけては、不動産登記の申請件数が多く、完了日が通常の目安よりも遅くなるケースがあります。
申請人当事者または代理人が法務局の窓口に出向いて申請をしますが、郵送による申請も可能です。郵送の場合には、登記申請書などの書類が法務局に届いてから受付されるため、窓口での申請よりも登記の完了までには時間がかかってしまいます。
また、紛失などの事故の危険性もありますので、できることなら法務局の窓口に出向いて申請したほうがよいでしょう。
(関連記事:登記申請の3つの方法(書面・郵送・オンライン)

遺産分割調停成立前に既に共同相続登記がされている場合

遺産分割調停の成立前に、相続人全員に対する共同相続登記が既になされている場合は、遺産分割調停により不動産を取得することになった相続人を登記権利者、その他の相続人を登記義務者とし、所有権移転登記を行います。
このようなケースの場合には、登記原因は「相続」ではなく「遺産分割」となります。
登記原因の日付は遺産分割調停の成立した日となります。
この登記は相続登記ではなく遺産分割を原因とする所有権移転登記のため、共有持分が減る相続人が登記義務者となります。
また、調停調書に登記義務者による登記義務履行に関する条項がある場合、遺産分割調停にて不動産を取得することになった相続人が自ら単独で登記をすることが可能です。
(関連記事:法定相続分での相続登記後に遺産分割した場合

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司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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