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譲渡所得税とみなし取得費

譲渡所得税とみなし取得費

不動産を売ったり買ったりすれば税金の問題が生じえます。これは相続した不動産を売却する場合であったとしても同様です。
一見すると相続したものは相続税の範囲で処理できるのでは?と思えそうなものですが、不動産を「相続する」のと「売る」のとでは全く別問題なので、当該不動産を売却することになれば譲渡所得税がかかることになります。

相続不動産を売却すれば譲渡所得税が発生する

譲渡所得税とは、相続不動産を売却して譲渡益が発生すると課される税金のことです。
譲渡所得税が課税される額の計算方法は以下のとおりです。

収入金額 ー (取得費+譲渡費用)ー 特別控除額 = 「課税譲渡所得金額」

上記計算式に当てはまる言葉の意味については以下をご参照ください。

収入金額

土地や建物を売却したことによって買主から受け取る金銭の額です。

取得費

売却した土地や建物の購入代金や建築代金、手数料のほか設備費や改良費等も含まれます。建物の取得費は、購入代金または建築代金等の合計額から減価償却費相当額を差し引いた金額となります。相続により土地や建物を取得した際に納めた登録免許税や不動産取得税、特別土地保有税、印紙税等も取得費に含まれます。

譲渡費用

土地や建物を売却するために直接かかった費用です。土地や建物を売却するために支払った仲介手数料、売主が負担した印紙税、土地を売却するためにその上の建物を取り壊した時の取り壊し費用と建物損失額、貸家を売却するために借家人に立ち退いてもらう時に支払う立ち退き料、既に売買契約を締結している資産をさらに有利な条件で売却するために支払った違約金、借地権を売却するときに地主の承諾をもらうために支払った名義書き換え料など。

特別控除額

特別控除は一定の要件を満たした場合に適用されます。代表的なものとして、マイホーム売却時の特別控除があります。所有期間に関係なく、譲渡所得から最高3000万円の控除を受けることができます。

要件として、
①自分が居住している家屋を売却。(以前居住していた場合には、住まなくなった日から3年目を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。)
②売却した年の前年及び前々年にこの特例の適用を受けていないこと。
③マイホームの書き換えや、交換の特例もしくは、マイホームの譲渡損失についての損益通算および繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
④売却した家屋、敷地について、収用などの場合の特別控除などほかの特例の適用を受けていないこと。
⑤災害によって滅失した家屋の場合、その敷地に住まなくなった日から3年目の年の12月31日までに売却すること。
⑥売主と買主が、特別な関係でないこと。(親子や夫婦、生計を一にする親族、家屋を売却した後その売却した家屋で同居する親族、内縁関係、特殊な関係のある法人など。)

控除の適用除外としては、
①特例控除を受けることだけを目的として入居したと認められる家屋。
②居住用家屋を新築する期間中だけ仮住まいとして使用した家屋、その他一時的な目的で入居したと認められる家屋。
③別荘などのように、主に趣味や娯楽、保養のために保有する家屋。

また、売却する不動産の所有期間により長期譲渡所得と短期譲渡所得に分けられ、所得税の額は異なってきます。長期譲渡所得は所有期間が5年を超えるとき、短期譲渡所得は所有期間が5年以下の時をいい、それぞれ税率が異なってきます。以下、国税庁HPサイトの表を引用したものです。

  所得税 住民税
長期譲渡所得 15%

5%

短期譲渡所得 30%

9%

※1 マイホームを売ったときには、税率を軽減する特例があります。
※2 確定申告の際には、所得税と併せて基準所得税額(所得税額から、所得税額から差し引かれる金額を差し引いた後の金額)に2.1%を掛けて計算した復興特別所得税を申告・納付することになります。

 

購入時の価格が不明の場合は「みなし取得費」で算定する

相続した土地や建物が先祖伝来のもので、購入した時期があまりにも古く取得費が分からない場合にはどうすればよいのでしょうか。そのような場合には、「みなし取得費」として算定をします。(概算取得費とも呼ばれています。)
実際の取得費が売却した金額の5%を下回った場合も同様となります。
例えば、取得費が分からない相続不動産が5000万円で売却された場合、みなし取得費は250万円となります。

相続では「みなし取得費」を使うケースがよくある

相続不動産の売却においては、相続ならではの問題として購入時の資料の行方が分からない場合が多く、みなし取得費として算定しているケースはよくあるようです。みなし取得費よりも実際の取得費の方が高いケースがほとんどでしょう。
昭和40年代以降に土地の購入をしていた場合には、高度成長期やバブルの影響で土地が値上がりしたため、みなし取得費よりも実際の取得費の方が高い場合がほとんどのようですが、戦前に先祖が土地を取得していた場合ではみなし取得費の方が有利となるケースが多くなるかと思われます。購入当時の売買契約書や領収書があれば当然取得費はわかりますが、何もない場合にはどうすることもできないかというと、そうでもありません。
例えば、購入当時の価格が記載されている不動産業者のパンフレット、住宅ローンの金銭消費貸借契約書や住宅ローン返済予定表、返済履歴書、住宅ローンでの購入時の登記簿の抵当権設定額などの資料を基に取得費を算定し、税務署に説明をすることで認めてもらえる場合もあるそうです。ただし、必ずという保証はありませんので、相続不動産を売却する際には、権利証だけではなく売買契約書や領収書があるか一緒に見つけるようにしましょう。

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司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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