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不動産名義変更の失敗例・注意点・間違いやすいポイント

不動産名義変更の注意点をまとめました

不動産名義変更は単に不動産の名義を変えるだけの行為ではありません。一歩間違えると支払うことができないよう高額な税金がかかってしまうことがあるため、事前にどんな失敗があるのか知っておく必要があります。

不動産名義変更をこれからしようと考えている方々のため、不動産名義変更の注意点をまとめてみました。
どんなことで失敗するのか、間違いやすいポイントなどを交えながら解説をしていきますので、ご自身の手続きにお役立てください。

不動産名義変更と税金の関係

意外かもしれませんが、不動産名義変更と税金は密接に関係してきます。
「不動産の名義を変更する=何らかの税金が発生する」と考えて差し支えありません。
実際のところはわかりませんが、法務局の登記簿と税務署が連動していて、登記原因で抽出しているという話も聞いたことがあります。例えば、贈与税を課税したいと考えているのなら「年月日贈与」の登記申請を抽出してまとめて審査チェックを行うようなことでしょうか。税務署の実情までは知り得ませんが、いずれにせよ、登記がなされれば税務署にその情報がいくことは確かです。
年月日売買」があれば譲渡所得税等の調査が入ることになります。「年月日贈与」の登記がなされたのに、その贈与税の申告がされていないことがわかれば状況を確認してくることでしょう。

不動産名義変更と税金というのは想像以上に密接に関わってきます。なぜなら、日本における一般家庭の財産の中で一番大きなウエイトを占めるのが不動産です。マンションの高騰もとまり不動産取引も鈍り、全国的に不動産の価値が下落しているという話があるとはいえ、それでも依然として不動産の財産価値が高いことには違いません。

不動産の名義が移るということは高額な財産が移転するということ/生前贈与により高額な贈与税が課税されるケース

不動産の名義が移るということは、高額な財産が動くということです。不動産の価値が少なくなったとはいえ、不動産の価値は数百万円から数千万円、時には数億円から数十億円にも及びます。
数百万円や数千万円の現金を移すことはごく稀な話ですから、この世の中で高額な財産を動かすときは基本的に不動産の名義変更をしたタイミングなのです。
税務署としては、財産の移転が生じたときこそ税金を課税するチャンス。見逃してくれるはずがありません。
それでは、不動産名義変更の場面において税金面で注意したり失敗することがあるのでしょうか。
失敗例を交えながら不動産名義変更の注意点を学んでいただきたいと思います。
(関連記事:不動産を生前贈与する場合の注意点

不動産の贈与は簡単にしてはいけない

不動産を生前贈与したことにより高額な贈与税の請求がきた失敗例

「不動産を生前贈与したい。」
そんな話をよく聞くかもしれません。しかし、不動産名義変更の業務を日々行う司法書士からすれば、不動産の生前贈与なんて危なくて簡単にできな・・・と考えてしまいます。

では、どうして不動産の生前贈与は危険なのでしょうか?
よくある失敗例として、相続税対策として不動産を親から子供へ生前贈与してしまったケースを紹介します。

相続税対策として親から子供へ生前贈与してしまった

不動産を生前贈与したいと考えている人のほとんどがこの「相続税対策」としてではないでしょうか。
相続税は、亡くなった方が死亡日現在においてどれだけの資産を持っていたかで相続税額が決まります。つまり、生前に2000万円の持ち家を子供へ贈与することができれば資産を2000万円減らすことができ、結果として相続税は減らすことができます。
しかし、その考えは安易すぎます。
なぜなら、相続税は減らせるとしても贈与税が発生してしまいます。
贈与税は相続税の補填税と言われておりますので、相続税よりも税率は高額になります。(相続税より贈与税が安ければみんな生前贈与してしまうでしょう。そうなれば相続税の意味がなくなってしまいます。だから、相続税よりも贈与税が高いのです。)
つまり、資産を減らす目的として行った不動産の生前贈与が、かえって高額な税金を発生させてしまうことにもなるのです。
特に安易にそういったことを考える人に限って、専門家へ相談することなく自分で勝手に名義変更をしてしまうものです。

法務局で贈与の方法を聞いてできると勝手に判断

不動産の名義変更をしようと法務局へ相談に行った場合、法務局の職員は手続き方法を教えてくれます。
必要書類としてどういったものを用意すればいいのか、登記申請書の書き方や、登録免許税の計算方法などなど、何度か法務局へ出向いて登記相談を受ければ何とか不動産名義変更はすることは可能です。
しかし、法務局の職員はあくまでの不動産名義変更の手続き方法を説明してくれるだけであって、税金のことについては考えてくれません。法務局の人は税理士でもなければ税務署の人でもないからです。

法務局の人に聞きながら必要書類を集めて、自分なりに作ってみた書類を提出して、何とか登記が受理されて不動産名義変更を行うことができたとしても、その段階では気がつかないのです。贈与税のことを。

忘れた頃に税務署より封筒が届く

何も知らずに贈与で不動産名義変更をしてしまった人は登記が受理されて満足してしまい、贈与税のことを意識していないことが多いです。
税務署からの封筒は忘れたころに届きます。不動産を生前贈与したことで贈与税がかかることを認識していない場合、贈与税の発生に驚かされるはずです、贈与税の税率はとんでもなく高額ですから、数百万円どころか一千万円以上にも及ぶことも珍しくありません。
安易に生前贈与を考える人は、贈与税のことを意識しておりませんので、後からこの問題に気が付くことが多いと思います。
まとまった納付ができなければ、贈与を取り消してもとに戻さなければいけなくなります。

贈与の取り消しに税務署は意外に寛容

支払うことができないような高額な贈与税が発生してしまった場合、必ず税務署へ相談をしましょう。
納付をせずに放置してしまえば、不動産を差し押さえられる可能性がでてきますし、税務署としても納付が難しければ、対応を検討してくれるかもしれません。
なにより、知識不足で不動産を贈与してしまった方から絶対に納付させようとまでは税務署も考えていませんから、贈与を取り消す等の対応策を教示してくれることがあります。

当然、贈与をやめるとなれば、所有権移転を抹消しなければいけませんので、手続き上の手間がかかりますが、贈与税が払えないのなら、贈与をやめる等の方法で対策を検討するしかありません。

いずれにせよ、税務署からの通知を無視するのだけはやめて、税務署や税理士に相談をすべきです。

後日不動産売却ができなくなる?!/不動産の一部を移転漏れしてしまうケース

不動産名義変更をする場合には、その物件に関連した土地・建物を全て移転すると思います。
しかし、希にこの物件に関連した土地・建物の一部の移転が漏れてしまうことがあります。なぜ、こういった自体が生じるのでしょうか。これは司法書士や不動産業者等が関与した場合であっても100%移転漏れを防げる保証はありません。専門職が多く関与すれば、漏れを防ぐことができる可能性は増えますが、それでも絶対ではありません。

「その物件に関連した土地・建物」について少し解説します。
例えば、一戸建てについて考えてみてください。普通は、土地があってその上に建物が建っています(この土地のことを「本地」と呼んだりします)。つまり、その物件に関連した土地・建物はその2個の不動産だけです。しかし、物件の状況によっては、土地と建物以外にも関連した土地または建物が存在することがあります。
例えば、物件自体が大きければ土地が何筆にもまたがっていることがあります。他には、その物件に行くために私道を通らなければいけない場合には私道持分を持っている可能性があります。また、接道していなくても近隣の住民と共有でゴミ置き場の持分を持っている可能性がありますし、離れた場所に駐車場の土地を持っていることもあります。
このように、一戸建てだからといって土地と建物のみがその物件の全ての不動産とは限りません。これは各不動産によって様々なので、不動産名義変更する際には、漏れがないように調査が必要になります。
(関連記事:相続登記時に付随した私道等の移転漏れに注意

不動産売却で困る移転漏れ

私道の移転漏れによって不動産売却ができなかった失敗例

不動産名義変更の際に私道部分等に気がつかないケースは希にあります。
私が相談を受けたケースでいえば、父が死亡した20年前当時、別の司法書士へ依頼して父親から受け継いだ土地を相続による不動産名義変更したはずが、その司法書士の確認が甘かったため、本地と建物だけ名義変更がされていて私道部分の移転が漏れてしまったようです。
たしかに、普通に生活をしているうえでは、私道持分の権利の移転がなされておらずとも何らの問題も生じえないと思いますが、問題が顕在化するのは「不動産売却」のときです。

私道持分がないため不動産売却ができなくなった

所詮は私道持分でしょ?と考えてしまうかもしれませんが、そうではありません。私道部分というのは不動産売却の場面ではとても重要なものです。
なぜなら、私道部分の権利がないということは、その物件は公道へ出ることができません。もちろん。物理的な考え方でいえばその私道を歩いて公道への出入りができるのかもしれませんが、権利としては私道部分は無権利です。
まずは、他人の私道を無権利で通るという違法性の問題が出てきます。他には、公道へ繋がっていない物件ということで建築基準法上の再建築不可の土地として認定されてしまうことです。つまり、私道部分の移転を漏らしてしまったがために建物が建てられない土地になってしまうということです。
建物が建たない土地を誰が欲しがりますか?もちろん私道を通る権利もないため、駐車場利用もできません。
建物も建たず、駐車場利用もできない活用性のない土地になってしまえば、その時の価値は一気に下落してしまいます。半額程度ですめばいいかもしれませんが、再建築不可なら1~2割程度まで価値は下落してしまうことでしょう(そもそも買い手が見つからず売却が一生困難になることもあります)。

それほど私道部分の移転漏れというのは、物件にとって大打撃なのです。
通常、移転漏れを起こすのは相続での不動産名義変更と考えられますが、その相続が昔であればあるほど、対応が難しくなります。遺産分割協議書等の書類が残っていればいて、この私道部分のことも書かれていれば問題ないですが、当時移転漏れをしてしまってる以上は、遺産分割協議書へ書かれているわけはないでしょう。となれば、遺産分割協議のやり直しとなりますが、数年、数十年が経過している場合には当事者が死亡していて、数次相続が発生していることも考えられます。
相続人が増えれば遺産分割を成立させるのが困難になりますので、時間が経てば経つほど、私道持分の移転漏れを解決するのが難しくなります。

私道部分の移転漏れは相続時の不動産名義変更が典型例

相続した不動産名義変更をする際には、その不動産の調査をするのが自分もしくはその時に対応した司法書士です。
自分自身で不動産名義変更をする場合に移転漏れをしてしまうのはしょうがないことかもしれませんが、司法書士が移転漏れをしてしまうことは十分にありえます。
司法書士は、相続による不動産名義変更の依頼を受けた場合、実際に現地に行くことはしませんので、お客さんから聴取した話をもとに登記簿謄本や公図で確認をしていくことになります。また、権利証があれば権利証の物件の表示から関連する土地等がないのか確認したりします。また、それ以外の方法では、役所に出向いて名寄帳を取得したり、評価証明書を取得する方法により調査を行います。
しかし、司法書士といえど、確認方法には限界があります。評価証明書には、課税されていないような公衆用道路は記載されませんし、接道していないような土地の場合には公図から探し出すのは困難です。
相続では、自分が購入した不動産ではないため、購入時の話を聞くことができません(購入した本人は既に他界しているため)。購入当時の資料どころか、売買契約書すらも紛失している可能性があるので、古い物件の調査はとても厄介です。
司法書士として調べられることは全てしてみて、それでもわからない不動産といものが出てくる場合がありますが、私道部分については、公図を取得してみればわかるはずなので、相続による不動産名義変更を依頼するなら、そのあたりもきちんと確認してくれる司法書士へ依頼すべきだと思います。

「その物件に関する土地・建物」はマンションでも注意が必要

ここまでは、一戸建ての話を中心にしてきましたが、マンションの場合にも同じようなことがいえます。
特に昭和の古いマンションの場合には、敷地権化されていないマンションが多く存在します(ここでは敷地権の話は割愛します)。敷地権化されていない場合には、戸建と同様に、マンションの土地(敷地)を調査しなければいけません。マンションの場合には複数筆にまたがっていることがよくあるので、漏れのないようにチェックしていきます。
また、古いマンションの場合(団地など)には、専有部分と敷地以外にも集会所やポンプ室を団地内数棟で共同で持っていることがあります。この集会所等については、公図などで調べることは困難なので、相続による不動産名義変更の際には漏れがないように十分注意をしなければいけません。
私が昔受任した案件ですが、依頼者の親の親の相続の時に集会所の移転がされないまま現在まで来てしまったものがありました。売却をする話があったので、資料を持参していただいて、昔の遺産分割協議書が出てきたので何とかすることができましたが(依頼者の親への死者名義を経由して、現在の依頼者への名義変更をする二段階の相続を登記一回でする手法を使いました)、どうにもならない場合には、一戸建ての私道部分同様で、売却することができないマンションになってしまう場合があります。

相続した不動産名義変更のときに移転漏れを注意してください

既に移転漏れしてしまったものはどうしようもありませんが、これから相続によって不動産名義変更をする方は是非これを機に注意することを知ってください。
不動産売却ができなくなってしまったという失敗例は笑えない話なので、不動産名義変更をする際には十分に気を付けて行うことをお勧めします。
なお、法務局の人は言われた登記しか説明をしてくれませんので、自分が対象不動産を漏らしてしまったら、法務局の人が指摘してくれません。不動産名義変更を自分でする場合には自己責任であることを認識してください。

登記が受理されない?!/遺産分割協議書のたった1文字の漢字ミスで登記がはねられてしまったケース

不動産名義変更は法務局へ登記申請をすることによって行うことは本サイトで何度も説明してきました。この法務局の登記申請では注意をしなければいけない点があります。それは、登記申請書に記載すべき漢字の間違いは一字一句誤字脱字が許されないということです。
通常生活を送っている中で自分の名前や住所を書く事があると思いますが、そのレベルの書き方では絶対に登記申請は通りません。
(関連記事:自分でやる相続登記
官公署は世の中に沢山存在するかもしれませんが、法務局ほど文字に厳しいところはないかもしれません。(関連記事:書き損じによる登記の補正方法について
実際のところ、どういったところに気をつけるべきか、間違いやすいポイントなどを説明してきます。(関連記事:
登記申請書の書き方・見本集

登記申請関係書類の記入方法

登記申請書に記載する際に間違いやすいポイント

法務局に提出する登記関係書類は、とても審査が厳しく一字一句誤字脱字が許されません。また、間違えた場合には、二本線を引いたうえで訂正印を押すといった適切な方法で訂正をしなければ、登記ははねられてしまいます。
日常で書いているような気持ちで文字を書くと時に訂正ができなくなってしまうことがあるので注意しましょう。

登記申請書で間違いやすいポイントとしては、自分の住所を略したりハイフンを使って書いてしまうことです。
登記申請書に記載する氏名・住所(権利者の欄)は、自分の住民票の記載のとおり書かなければいけません。その住所を書く際に、たとえば「横浜市中区本町一丁目2番3号」という住所なのに、「横浜市中区本町1-2-3」と書いてはいけません。住民票の記載とおりではないので、これだと却下までにはなりませんが、補正になってしまいます。
面倒でも、きちと一字一句住民票の記載と違いのないようのその通りに記入するようにしましょう。あと、住民票上の苗字が「髙橋」になっているのに簡単な「高橋」にしてはいけません。「渡邊」を「渡辺」と書いてもいけませんし、「齋藤」を「斉藤」にしてもいけません。名前についても「惠子」なのに「恵子」にしてはいけません。外字と正字も、住民票が外字になっていれば外字で書いておいた方が望ましいといえます。正確にいえば、同一字扱いとして登記申請は受理されるものもありますが、住民票通りに記載をしておけば間違いはないでしょう。
たとえ普段は、簡略化した自体で記載しているとしても、登記申請上は住民票とおり記入するのがルールです。

なお、余談ですが、印鑑証明書は住民票の記載事項を反映しているものなので、住民票と印鑑証明書は全く同一の内容になっています。住民票が手元にない場合には、印鑑証明書を見て書いても問題ありません。

遺産分割協議書も登記官の審査の対象となる

法務局が審査するのは、登記申請書に限られたものではありません。提出する添付書面についても審査対象となります。
相続による不動産名義変更でいえば遺産分割協議書も添付書面に含まれますので、当然のことながら審査の対象となります。
遺産分割協議書を自分なりに作られる方がいらっしゃいますが、法務局は他の役所のようにやさしくないので、誤字脱字があれば問答無用に訂正を求めてきます。お願いしても受理してくれるものではありません。
登記申請書であれば自分が作成したものですから訂正は難しくないでしょう。しかし、遺産分割協議書であればそう簡単に訂正はできません。相続人全員が実印を押している以上は、相続人全員の訂正印を押してもらうか、新しく遺産分割協議書を作成しなおさなければいけなくなります。
相続人の関係や状況によっては、新しく遺産分割協議書を作成することができない場合もあると思いますので、協議書の間違いは大問題になりかねません。

遺産分割協議書に訂正印がもらえず名義変更ができなかった事例

私が相談を受けた件ですが、お客様が事務所へ相談に来られた段階で、既に遺産分割協議書を作成されて相続人全員の実印も押されていました。
法務局の審査が厳しいので、通常は司法書士が作成した遺産分割協議書しか使わないのですが、この件では、既に遺産分割協議書があるということと、相続人と不仲なため再度もらいなおすことは難しいというお話から、この協議書を使って登記申請をしてほしいという要望でした。
お客さんが自信を持って言うのもわかるくらい、遺産分割協議書はすごく丁寧に作られていて、法的な要素も漏れなく記載されておりました。不動産の表示についても、登記簿を見ながら書いたと言われたとおり、一字一句間違いはありませんでした。
この協議書でいけそうだと思ったのも束の間、よくよく見ると一点だけ間違いがありました。
一見すると単なるケアレスミスで協議書全体には影響がなさそうなたった一文字ですが、司法書士の私から見ると絶対に間違られない1文字を何とボールペンでぐちゃぐちゃっと訂正してしまっていたのです。
実印のもらいなおしができない以上はこの遺産分割協議書を使って登記申請をするしかないとのことでしたので、無理を承知で法務局へ登記照会をかけましたが、結果は「この遺産分割協議書では登記は受け付けられない」というものでした。

この件については、登記が受理できないため、再度遺産分割協議書を作成しなおすか相続人全員から実印を押して訂正してもらう他ありません。
このお客さんが残念ながら不動産名義変更をすることができないまま現在もその家に住み続けているようですが、いつか不動産を売却したり、自分が亡くなった時にはどうなってしまうのでしょうか。

法務局の審査が厳しいことを事前に知っておく

ここまで説明してきたのでわかるかと思いますが、法務局の審査は非常に厳しいです。一字一句の間違いでも登記は受理されませんので、自分が作り直しができるような書類以外については、絶対に間違いは許されないものとして、確実な書類作成が求められます。

さきほど出てきた遺産分割協議書ですが、実は相続人全員の捨印が押してあればどうにかなった可能性があります。もし、自分以外の印鑑が必要となる書類があるのなら、その書類には極力捨印を押しておいてもらうことをお勧めします。
どんなに気をつけていたとしても、書き損じることがありますし、後から捺印をもらうくらいなら事前に捨印をもらっておいた方が保険になっていいと思います。
なお、司法書士も実務上はほとんどの書類に捨印を押してもらうようにしています。司法書士も人間なので書き損じがありえますし、ミスをすることもあります。その都度、お客さんへ頭を下げて訂正印をもらうわけにはいかないので実務上では捨印は重要な役割を果たします。

夫婦で買ったマンションを夫婦共有で不動産名義変更をしたが、妻に贈与税が発生してしまったケース

最後にひとつ、予期せぬ状況で贈与税が発生した失敗事例をご紹介します。
夫婦でマンション等のマイホームを共有で購入するケースはよくあると思います。しかし、売買によって購入した場合でも贈与税が発生することがあるのはご存知ですか?
たとえば3000万円のマンションを夫婦でお金を出しあって購入したとします。夫が2000万円、妻が1000万円を出資して購入した場合に、夫婦なんだからと、持分2分の1ずつで登記をしてしまった場合、なんと妻に贈与税が発生してしまうことになります。

1000万円しか出していない妻が3000万円のうち2分の1の権利を取得することになれば、妻は500万円の贈与を受けたことになる。

一見すると贈与の関係が全くないように思えますが、このケースでいえば夫から妻へ500万円を贈与してしまうことになるのです。

2000万円を出資したにも関わらず、各2分の1で共有登記をしたわけですから、妻としては500万円の利益を受けたことになります(各2分の1で登記するなら夫と妻はそれぞれ1500万円ずつ平等に出すべきだった)。この500万円は、夫から妻への贈与があったと税務署はみなしますので、妻は390万円(贈与税の基礎控除額110万円を引いた分)を課税標準として、贈与税を払わなければいけないことになります。

このように、贈与の意思がない場合であったとしても不動産名義変更によって贈与税が発生することがあります。
不動産名義変更というのは当事者の意思には関係なく確実に何らかの税金を生じさせるものですので、十分に気をつけて行うようにしましょう。

不動産名義変更に対する司法書士として個人的な考察

インターネットが普及した現代において、色々なことはパソコンで調べることができる世の中になりました(本サイトをご覧になっているあなたも何か調べ物をするために、ご覧いただいてるはずです。)。
昔は、不動産名義変更をする場合には、司法書士が必ずといっていいほど関与していました。それは、今のように登記申請書の見本や記載例が簡単に手に入れることができなかったからです。また、法務局も今のように丁寧に教えてくれる時代ではありませんでしたので、司法書士へ依頼する他なかったのかもしれません。しかし、現在はそんな世の中ではありません。インターネットを探せば登記申請書の書式が転がっていますし、WORDを使うことができる人であれば申請書を作成することはさほど難しいことではないように思います。現に、当サイトにも登記申請書の見本集がありますので、これを真似して作成すれば登記書類を作成することができるはずです。
(関連記事:登記申請書・登記原因証明情報・委任状の見本集

それでも、司法書士へ不動産名義変更を依頼するということは、やはり間違いのない登記申請をするうえで司法書士が欠かせない存在だからだと思います。(関連記事:司法書士の制度
司法書士は、単に登記申請を代行してくれるだけの人ではないと思います。それは、手続きの前提としての問題点やリスク等を把握して、依頼者の方に事前に問題点を指摘することができることにあると思います。つまり、不動産名義変更を行うに際してのコンサルティングまでをサポートすることがこれからの司法書士の求められる姿と考えます。

本ページで、不動産名義変更の失敗例をお伝えしましたが、やはりどれも適切に専門家へ依頼をしていないことに起因してトラブルが起きています。登記のことなら司法書士が専門です。報酬等を払ったとしても事前の予防法務として依頼をする価値があるのではないでしょうか。

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この記事の監修者

司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所 代表 吉田隼哉

開業当初より、相続の分野を専門として業務を行う。
得意分野は「不動産を含む相続手続き」。テレビ「NHKクローズアップ現代」や雑誌プレジデント・AERA等の執筆、メディア実績多数。情報番組での空き家問題の取材実績あり。


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13.相続欠格とは
14.相続人廃除とは
15.戸籍謄本とは
16.遠方の戸籍謄本の取り寄せ方法
17.相続財産に含まれるもの
18
生命保険金は相続税の課税対象か
19.死亡退職金は相続税の課税対象か
20.相続開始後のアパート賃料は遺産分割の対象か

21.名義預金と相続税について
22.香典や弔慰金は相続財産となるのか
23.借金(債務)は必ず相続するのか
24.故人の債務・借金の調査方法
25.病院代等の医療費の支払い義務は相続するのか
26.葬儀費用は相続するのか
27.単純承認とは
28.限定承認とは
29.相続放棄とは
30.家庭裁判所への相続放棄の申述方法 

31.相続放棄の3ヶ月熟慮期間の伸長
32.3ヶ月経過後の相続放棄
33.相続放棄の取り消し・撤回
34.相続放棄と生命保険金
35.相続放棄と空き家の管理責任
36.生前でも相続放棄できるのか
37.死亡届の提出
38.準確定申告とは
39.遺産分割協議の流れ・進め方
40.海外の相続人がいる場合の遺産分割

41.相続関係から離脱するためには
42.自筆証書遺言とは
43.秘密証書遺言とは
44.公正証書遺言とは
45.家庭裁判所での遺言書の検認手続き
46.自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
47.遺言があっても遺産分割できるのか
48.特別受益とは
49.換価分割とは
50.代償分割とは

51.銀行が故人の預金口座を凍結するタイミング
52.相続した預貯金口座の解約方法
53.相続税申告のための残高証明書と取引明細の取得方法
54.株式の相続手続きについて
55.改正による旧相続税と新相続税の比較
56.相続税の申告方法
57.遺産分割協議が整わない場合の相続税申告
58.相続税の分割払い・物納の方法
59.相続税の各種控除・特例について
60.相続税の申告・納付を怠ったら

61.遺言を書くメリットとデメリット
62.絶対に遺言を書いておくべき人とは
63.遺言執行者とは
64.特別の方式による遺言
65.遺言と意思能力の問題
66.公正証書遺言の作り方
67.遺言公正証書作成にかかる公証人手数料
68.親に遺言を書いてもらうためには
69.遺言の書きなおし・一部修正の方法
70.遺言に記載された財産を生前処分すると

71.付言事項とは
72.複数の遺言が見つかったら
73.遺贈寄付とは
74.遺言作成を専門家へ依頼するメリット
75.相続時精算課税制度とは
76.代襲相続と数次相続の違い
77.遺産分割を放置するデメリット
78.遺産分割調停とは
79.包括遺贈と特定遺贈の違い
80.遺贈と死因贈与の違い 

81.除籍謄本と改製原戸籍
82.資格者による戸籍謄本等の職権取得
83.疎遠な相続人との遺産分割
84.成年後見制度とは
85.相続した預貯金口座の調べ方
86.期限付きの相続手続きまとめ
87.遺産分割協議書と遺産分割証明書の違い
88.公正証書遺言の検索方法・調査
89.法定相続情報証明制度とは
90.法定相続情報証明制度の問題点と今後

91.高齢者消除と相続
92.同時に死亡した場合の相続関係
93.準正とは
94.再転相続とは
95.相続財産管理人とは
96.遺留分減殺請求権の行使
97.戸籍と住民票の保管期限
98.相続分の譲渡とは
99.いらない土地を相続放棄できるか

100.遺言書の財産目録がパソコンで印字可能に

 

テレビ取材・雑誌の執筆等

当事務所は相続遺言の分野でメディア取材・執筆実績が多数あります!

・雑誌「プレジデント」2020.12.18号
・テレビ「NHKクローズアップ現代」2019.12.19放送
・「経理WOMAN」2019 NO.280
・雑誌「AERA」2018.4.15号
・週刊「女性自身」2018.10.2号
・雑誌「AERA」2017.1.23号 他

代表司法書士プロフィール

司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

相続と不動産の分野でインタビューを受けた記事はこちらから↓

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