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資格者による戸籍謄本等の職権取得
(士業へ相続手続を依頼するメリット)

戸籍の職権取得について

相続手続きを進めるためには、被相続人の出生から死亡まで連続する戸籍謄本(除籍謄本や改製原戸籍を含む)を集めなければいけません。
前回の記事はこちら≫
除籍謄本と改製原戸籍
この戸籍謄本を取得するためには、通常は役所に出向いて当該役所の備え付けてある申請書(戸籍請求書)に戸籍謄本を請求する理由や申請人と対象者との関係性等の必要事項を記入のうえ提出して発行してもらうことになります。

申請人と対象者の関係性を証明するためには、自らの戸籍謄本も提出しなければいけないことがあります(戸籍謄本を請求できる範囲の人か確認するため)。しかし、それが直系尊属であれば問題ないのかもしれませんが、戸籍の請求可能範囲外である傍系の関係だと発行が困難です。

このように、本人が戸籍謄本を集める場合には色々と不都合や面倒なものがありますが、国家資格者(8士業)には、職務上請求という職権を使って、業務に関係する範囲内において戸籍謄本を取得することが可能です。

※なお、職務上請求では戸籍謄本だけでなく住民票の取得も可能です。ただし、印鑑証明書の発行をすることはできません。

職務上請求とは

職務上請求とは、専門家が受任している事務や事件に関する業務を遂行するために必要がある場合には、その職権で必要な書類の交付を請求できることをいいます。例えば、住民票の写し、戸籍謄本、戸籍抄本、除籍謄本などが代表的なものです。

職務上請求は、「弁護士」、「司法書士」、「行政書士」、「社会保険労務士」、「税理士」、「弁理士」、「土地家屋調査士」、「海事代理士」の8士業に認められています。

本来、専門家が本人に代わって必要な書類を取得する際には、委任状を用意して役所で請求をおこないます。しかし、この職務上請求の場合には委任状の必要がありません。

例えば、書類の取得に急を要しているが、依頼者が多忙で会うことができないなどといった場合には、専門家は職務上請求によって必要な書類を請求して取得します。職務上請求をおこなう際には、「職務上請求書」という書類に必要事項を記入して提出します。

この職務上請求書には、ナンバリングがふってあり、誰が何番の書類を持っているか、誰がいつどこで使用したかが分かるようになっており、各士業が登録する団体(弁護士会・司法書士会・行政書士会など)が厳重に保管をしております。

相続人自身が戸籍を集めるより遥かに手間がかからない

本籍地のある役所に出向いて(又は郵送申請)、戸籍を請求しなければいけない点でいえば、士業も相続人もかわりありませんが、士業であれば業務に付随する目的で取得することさえ示せばよく、自らと対象者の関係性を証明する必要はないので、相続人が取得する場合よりも遥かにスムーズです。(関連記事:遠方の戸籍謄本の取り寄せ方法

また、職権で取得できる範囲において直系尊属や傍系尊属等の違いはないので、一気に取得することができます。特に親子相続ではなく兄弟相続の場合に、士業へ依頼する大きなメリットがあると言えるでしょう。兄弟相続では、横のつながりを証明するため多くの傍系の戸籍謄本を集めなければいけません。その都度、相続の関係を示しながら集めていくとなると時間も手間もかかります。
自分で戸籍謄本を集めるのが大変であれば、最初から士業へ依頼をして任せてしまうのもひとつの手でしょう。

職務上請求の問題点

職務上請求に関しては、専門家が業務をおこなうために必要な職権として与えられていますが、便利さ故に、この職務上請求を利用した士業の不正請求の事件が過去発生しています。
過去の事件で探偵事務所から依頼を受けて戸籍謄本を不正に取得したり、元交際相手の住所を調べる目的で住民票を取得した士業もおりました。

当然に、職務上請求を不正におこなった場合には、刑法、戸籍法、住民基本台帳法違反などにより、逮捕、起訴される可能性もあります。

このような過去の職務上請求による不正取得事件や、近年の個人情報保護の厳しさを踏まえて、現在では全国の市区町村役場においては職務上請求の取り扱いが大変厳しくなっているという声も聞きます。(役所の職員は、基本、職務上請求を拒むことはできません。)専門家は与えられた権限を正しく使い、当該権限を国民へ寄与していかなければならないものだと思います。

職務上請求と本人通知制度

本人通知制度とは、住民票の写しや戸籍の附票の写し、戸籍謄本などが本人以外の第三者に不正に取得された場合に、事実を本人に通知する制度です。

住民票の写しや戸籍謄本などを取得した者が、戸籍法または住民基本台帳法に違反する不正取得者ということが明らかになった場合や、国又は県からの通知などにより特定事務受任者(上記で説明した8士業)が、職務上請求書を使用し不正取得をした事実が明らかになったとき、その事実を本人へ通知をします。通知の方法は郵送です。不正取得された本人へ、「何の証明書か」、「通数」、「交付日」などを記載した通知書を送付します。

士業と相続手続き

前述したように職務上請求は8士業(弁護士、司法書士、行政書士、社会保険労務士、税理士、弁理士、土地家屋調査士、海事代理士)のみ認められた権限です。
しかし、実際にこの中の全ての士業が相続実務を行うわけではありませんので、自らが相続手続きで専門家へ何を求めているのか、専門家に何を依頼をしたいのか見極めたうえで、自分にあった士業を選んで依頼をしなければいけません。
各士業の職務範囲の範疇が一般の方には非常に難しいところでもありますが、まずはインターネットで調べてみて、自分の問題を解決してくれそうな専門家へ相談されるのが一番の近道だと思います。
相談した専門家がもし万が一自分の職務範囲外だと思えば、きっと他の専門家へ繋いでくれるはずでしょう。

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25.
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11.相続人の中に未成年者がいるケースの相続まとめ
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15.戸籍謄本とは
16.遠方の戸籍謄本の取り寄せ方法
17.相続財産に含まれるもの
18
生命保険金は相続税の課税対象か
19.死亡退職金は相続税の課税対象か
20.相続開始後のアパート賃料は遺産分割の対象か

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26.葬儀費用は相続するのか
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28.限定承認とは
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31.相続放棄の3ヶ月熟慮期間の伸長
32.3ヶ月経過後の相続放棄
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43.秘密証書遺言とは
44.公正証書遺言とは
45.家庭裁判所での遺言書の検認手続き
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司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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