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登記の本人申請(ほんにんしんせい)とは

登記の本人申請

不動産名義変更のことを調べていると『本人申請(ほんにんしんせい)』という言葉が出てくることがあります。
登記の本人申請とは、司法書士や土地家屋調査士に依頼することなく自分で登記をする行為のことを言います。登記については司法書士へ依頼をするのが当然と思われがちですが、全ての登記申請は本人が法務局に出向いて申請することも理論上は可能です。
あとで言及しますが「理論上」というのがポイントになります。
ここでは登記の本人申請について考えていきたいと思います。

本人申請が原則で、司法書士等の国家資格者へ依頼をするのが例外です

不動産名義変更のような権利登記については司法書士へ、不動産の物理的な変更(地目や地積、分筆合筆など)をする表題登記は土地家屋調査士という国家資格者へ依頼をするのが通例であり一般的です。登記は、専門的な分野であって素人にはわかりにくい分野ですから、専門家に依頼をするというのが当然の話です。
このような専門家へ頼むのが当たり前のように思うかもしれませんが、実はそうではありません。
「登記」という制度は、実は本人申請が原則と考えており、司法書士等の国家資格者へ依頼をするのは例外と考えています。つまり、制度としては本来的な形を本人申請として、自分でやるのが難しいのなら司法書士等へ依頼をすることもできると考えているのです。
このような制度の考え方からすれば国家資格者へ依頼をすることなく本人が登記申請をしても全く問題ないと言えます。

しかし、実は登記申請の中で自分でできる登記とできない登記に分かれることをご存知でしょうか?インターネットや本屋に行くと「登記を自分でやってみよう!」みたいなタイトルを目にすることがありますが、司法書士からすれば真実味に欠けるものです。

本ページの冒頭で少し触れましたが、全ての登記申請は本人が法務局に出向いて申請することも「理論上」は可能です。この言葉の裏を返せば、現実的に自分でできない登記も存在するということです。

ではどういった登記は本人申請をすることができないのでしょうか?

自分以外に利害関係人がいる場合の登記は本人申請ができない

自分ですることができない登記とは、ざっくりいうと「自分以外に利害関係人がいる場合の登記」です。
例えば自分以外に利害関係のない登記というと相続登記・住所変更登記・抵当権抹消登記などでしょうか。これらの登記は基本的に登記をする人以外に不利益を受ける人が存在しません。相続登記であれば、遺産分割協議が成立した内容でその通り登記をするだけですし、住所変更登記なんかは住所が変更したことを公示するだけです。抵当権抹消登記は一見すると抵当権者(債権者)に不利益がありそうにも思えますが、全額完済した抵当権を消すだけですから実際債権は存在していませんし、所有者の本人申請ですることが可能です(ただし抵当権者からの委任状は必要となる)。

逆に、自分以外に利害関係人がいる場合の登記の典型例でいえば、売買による所有権移転登記や抵当権設定登記の2つです。
売買の所有権移転登記で考えれば、売主と買主が存在します。登記をして利益を受けるのは買主ですから、売主から委任状をもらって買主だけで登記できそうに思えますが、実際はそうはいきません。
売買があるということは買主が売主へお金を払います。売主はお金をもらうことで権利証等の書類を買主へ渡します。このように売主と買主は利益が相反する立場にありますので、お互い相手方が先に履行してくれない限り自分の義務を行うわけにはいきません。
売主としては、買主がお金を払うまで権利証を渡したくないでしょうし、買主としては権利証等を売主からもらうまでは売買代金を支払いたくないと考えるでしょう。この関係を同時履行というのですが、売主と買主の両者だけではお互いが同時履行の抗弁を主張してしまい、不動産売買が成立しないことになってしまいます。
ここで登場するのが司法書士です。

不動産売買における司法書士の関与

売主は国家資格者である司法書士が間に入ってくれるのであれば権利証等を安心して渡してくれるはずですし、買主も司法書士がいるのであれば安心して売買代金を支払うことができます。

売買による所有権移転登記自体はそもそも本人申請が認められていますので売主と買主だけですることは可能ですが現実的な不動産売買の場面においては、同時履行の関係を打ち消すため司法書士の存在が必須になるため、結局のところ司法書士がいないと登記申請ができないことになります。
これは抵当権設定でも考え方は同様です。融資をする債権者としては司法書士がいれば安心して融資をすることができますし、債務者としても安心して権利証等の書類を渡してくれます。

登記は、他に影響がある人がいないのなら問題なく本人申請をすることができますが、自分以外に影響を及ぼす登記の場合には現実問題として司法書士の関与がないと進まないので、結論として本人申請ができないことになります。(関連記事:司法書士とは

登記は手続きだけでなく実体も含めて考える

登記を単なる手続きだと位置づけるのであれば、本人申請によって全ての登記を行うことができます。しかし、実際の実務上の現場では、登記の前提となる法律上の問題から司法書士が関与をすることで、スムーズに登記申請を行うことができる現実があります。
本やインターネットであたかも全ても登記を本人申請でできるかのような書き方をしているものを見かけることがありますが、実務の現場を本当に知っているのか疑問を感じるような内容の文章も多々存在します。
パソコンを開けば様々な情報や知識を得られる世の中にはなりましたが、情報・知識だけでは現場の実務レベルでの経験則や慣例・習慣までを知ることは難しいです。また、登記には登記先例というものが存在し、登記先例を基準とした実務上の取扱いが存在します。
(関連記事:登記先例とは
登記先例のことまで検討してしまうと膨大の知識量となり、ネットだけの情報では対応することができません。

ネットに書かれていることだけを鵜呑みにするのではなく、その情報が本当に正しいのか正しくないのかを理解して考えながらご自身に役立てていただければと思います。

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18
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24.故人の債務・借金の調査方法
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・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
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