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代襲相続と数次相続の違い

代襲相続と数次相続はどう違う?

代襲相続と数次相続という言葉をご存知でしょうか?

相続に全く関わって来なかった方であれば聞いたことがないかもしれませんが、相続手続きが必要となった皆さんにとっては基本中の基本です。
代襲相続と数次相続がわからなければ相続人の範囲の判断がつきませんので、知っておかなければいけない最低限の知識といえます。
(関連記事:法定相続人の範囲について

それでは、代襲相続と数次相続について解説をしていきます。

代襲相続とは

代襲相続とは、相続人である親が生きていれば、被相続人の財産をいずれ相続できたのに、相続開始のときには亡くなっていたため、後で相続により財産を承継し得たはずという子の期待を保護するという趣旨でつくられた制度であり、すでに亡くなっている親の代わりに子が相続をすることです。この代襲相続が認められるのは、①相続開始以前の死亡、②相続欠格、③相続人の廃除の3つに限られます。※相続放棄は含まれません。(関連記事:相続放棄とは 相続欠格とは 相続人の廃除とは

代襲相続人になれるのは、相続人のうち被相続人の子及び兄弟姉妹についてだけ認められており、「息子の嫁」のような直系卑属の配偶者は代襲相続人にはなれません。

また、代襲相続については、代襲相続人は、被代襲相続人が相続資格を失ったとき存在している必要があるのか、あるいは被相続人が、死亡のときに存在していればいいのか学説上での争いはありましたが、昭和37年の民法改正によって相続開始のときに存在していればよいということで決着をみました。

養子の場合でも同じです。養子は相続に関して実子と同様に扱われます。よって、養親が亡くなれば、養子は養親の遺産を相続することになります。そして、養親が亡くなる前に養子が亡くなっていた場合には、養子の子が代襲相続人となります。ただし、養子の子が、養子縁組よりも前に生まれていた場合には、養子の子は養親の代襲相続人にはなれません。(関連記事:養子の法定相続分

数次相続とは

数次相続とは、被相続人の死亡により相続(一次相続)が開始されたが、遺産分割協議が確定する前に法定相続人が亡くなってしまい、次の相続(二次相続)が開始された状態のことをいいます。このような数次相続の場合には、いくつかの問題点が上げられます。

・相続人の特定に時間も費用もかかる
・相続人が増え権利関係が複雑化する
・遺産分割のとき参加者が増えるため話し合いが困難になってくる
・相続人が増えることで相続財産の額に影響がでてくる
・遺産に不動産がある場合、相続人が増えることで登記の回数も増える

数次相続が発生してしまう原因として多いのが遺産分割の放置によるものといわれています。一次相続が開始された後、何らかの理由で遺産分割を放置している間に二次相続が発生してしまうためです。(関連記事:遺産分割を放置するデメリット

数次相続の際に問題となるのが遺産に不動産がある場合です。通常、不動産は被相続人から相続人へ相続登記をおこないますが、その相続人も亡くなってしまったわけですから、非常に厄介です。基本的には、「一次相続」⇒「二次相続」の順番に登記もおこなえば問題はありません。
しかし、この場合、登記手続きを2回おこなわなければなりませんが、当事者全員の合意があれば登記を1回に済ませることができる中間省略登記というものがあります。
本来、不動産の所有権が「AからB」、「BからC」と順に移転しますが、A・B・C間で合意があればいきなり「AからC」という移転登記が可能となります。権利が移転する実態を反映はしていませんが、現状の実態には合致しているので良しとされています。
数次相続の場合において中間省略登記が認められているのは、「中間の相続人が1人」の場合です。
(関連記事:相続登記をしないまま単独相続人が死亡したら
(関連事例:父と母が順に亡くなった場合の不動産名義変更

代襲相続と数次相続それぞれの具体例

代襲相続と数次相続の違いが分かりにくいため、具体例をあげて説明していきます。


【登場人物】
被相続人(祖父)A、長男B、次男C、長男の妻D、長男の子(孫)E

 

◆通常の相続の場合
被相続人A(祖父)の死亡により相続が開始。
相続人は、「長男B」、「次男C」となり、それぞれの相続割合は、長男Bが2分の1、次男Cが2分の1となります。

◆代襲相続の場合
3年前に長男Bが死亡、その後被相続人(祖父)の死亡により相続が開始。
相続人は、「次男C」、「長男の子(孫)E」となり、それぞれの相続割合は、次男Cが2分の1、長男の子(孫)Eが2分の1となります。
※「次男C」と代襲相続人である「長男の子(孫)E」の2者間で遺産分割協議をおこないます。

◆数次相続の場合
被相続人A(祖父)の死亡により相続が開始されたが遺産分割を放置している間に、長男Bが死亡(被相続人Aの遺産は未分割のまま)
相続人は、「次男C」、「長男の妻B」、「長男の子(孫)E」となり、それぞれの相続割合は、次男Cが2分の1、長男の妻Bが4分の1、長男の子(孫)Eが4分の1となります。
※「次男C」と長男Bの相続人である「長男の妻D」、「長男の子(孫)E」の3者間で遺産分割協議をおこないます。(長男B個人の財産についての遺産分割は、また別の扱いとなります。)

代襲相続と数次相続の判断方法

代襲相続と数次相続の判断の仕方としては、「被相続人A(祖父)」と「長男B」の死亡する順番に注目することです。

◇代襲相続は、⇒「長男B」が先に死亡

◇数次相続は、⇒「被相続人A(祖父)」が先に死亡

また、「長男の妻D」が相続人となるのかという点にも注目です。(長男の妻Dが相続人となるのは、数次相続の場合のみ)

代襲相続か数次相続で大きく異なるのは中間の配偶者

代襲相続と数次相続で大きく異なってくるのは中間(代襲では被代襲相続人、数次では被数次相続人)で亡くなった方の配偶者が相続人となるのか否かです。

上記で説明をしたとおり、代襲相続であれば相続分が下の世代に落ちてくるだけなので中間に亡くなった方の配偶者は相続人とはなりません。対して、数次相続の場合には、中間で亡くなった方の配偶者が相続人に含まれることなります。

相続人の中に血の繋がらない方は含まれることになりますので、この差はとても大きいです。代襲か数次かの違いで遺産分割がまとまらないことだってあります。
相続人の範囲を考えるうえで、最低限知っておかなければいけない知識なので理解をしておきましょう。

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・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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