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相続をきっかけとする空き家問題

相続と連動する空家の問題

社会問題として多くメディアに取り上げられるようになった空き家ですが、実は空き家の多くは「相続」を起因としていることをご存知でしょうか?

空き家問題と相続は、切り離して考えることができないものといえます。

ここでは、空き家と相続についての関連性などについて解説をしていきます。

なぜ相続をきっかけとして空き家となってしまうのか

人口の減少が止まらない日本において、地方では過疎化が進み、都市部へ人口の流失が止まりません。特に年齢の若い層は、都市部での生活を好み、地方から離れていく傾向が顕著に現れています。つまり、親世代だけが地方へ取り残され、子供達は首都圏・大都市への移住をしてしまうのです。

そんな親世代が亡くなって相続が発生すれば、地方に住みたくない子供達は親の家を手放そうと考えるのは当然の流れだといえます。しかし、現実はそう甘くはありません。
地方過疎が進むエリアでは、不動産取引が鈍り、買い手どころか無償の引き取り手すら見つからないような状況です。

こういった地方で売れない不動産のことを、「負動産」と呼ぶことがあります。
かつて資産価値があった不動産でも、地方の暴落した土地は負の財産としての扱いを受けることになります。
親の死によって地方へ行く理由がなくなった子供達は、資産価値のない不動産に興味を持たず、また遠方のため管理することもできませんので、そのまま相続した実家が空き家となり放置されてしまうのです。

ただし、売りたくても売れない事情だけに限られず、不動産自体に物件的な価値があるにも関わらず、相続が発生してからそのまま売却されない空き家も存在します。例えば、法定相続分での相続登記をしてしまったために、共有となってしまったケースです。

法定相続分で相続登記をしてしまったために売却が困難になることも

相続登記をする場合には、一般的には遺産分割協議を相続人全員で行い、不動産を取得することになった相続人の単独所有とする登記申請を行うことになります。

しかし、中には遺産分割がうまくまとまらず、とりあえず法定相続分で相続人の共有状態にしてしまう方がいます。法定相続分での相続登記を申請すること自体が悪いことではありませんが、法定相続分での登記をしてしまうと、各相続人がそれぞれ持分を有することになってしまうため、売却・処分をすることが困難になってしまいます(売却するためには共有者全員の同意がないとできない)。

本当に、とりあえずの気持ちで法定相続分での相続登記をしてしまう方がいますが、司法書士としては絶対にそれはお勧めできません。共有になってしまうと、そのまま次の世代から次の世代へと持分を引き継いでいってしまうことになり、疎遠な相続人達で共有状態となった不動産を処分することが不可能になってしまうからです。

先祖代々の土地・家屋で被相続人の名義変更がされてこなかったケース

不動産を所有する人が亡くなれば、相続人へ名義変更をするのが当たり前の話です。それは昔も今も変わらないはずです。
しかし、今と違って昔は、司法書士へのアクセスが容易ではなく、法務局の登記申請も非常に難しいものでした(インターネットで調べることもできなかった)。何世代も前の名義のまま、先祖代々引き継がれた土地の場合、相続人が数十人どころか数百人へ鼠算式に増えてしまい、遺産分割が不可能となっている場合があります。

その場合、相続人全員と遺産分割をするのは事実上不可能な状態といえますので、名義変更をすることができず、売却することができない状態になってしまっていることがあります。

相続がきっかけで権利関係が複雑なり空き家となるケースが結構多い

物件的な価値がなく負道産として売却困難な空き家が多いのも事実ですが、ここまで解説したように相続が原因となって権利関係が複雑になってしまって売却することができなくなってしまうケースも結構あります。
例えば、東京23区内の一等地(売却すれば数億円)にあるにも関わらず空き家のまま放置されているものは相続が原因になっている可能性が高いでしょう。

資産価値の高い不動産の場合、社会経済上としてもその土地を空き家のままにしておくのは非常に大きな損失となりえますので、何とか売却処分ができるよう行動を起こすようにしてほしいものです。

売ることができる空き家なら積極的に売却をしましょう

地方であったとしても市街地にある不動産だったら売却は可能ですし、東京都や横浜といった都市部であれば問題なく売却することが可能です。

気持ちとして、「親の思い出があるから」「気持ちの整理がつくまでそのままにしておきたい」「生まれ育った家だから」と考えることはよく理解できます。しかし、そういった思いがあったとしても相続した家を放置して空き家にしておいていいものではありません。

空き家にしてしまうことで、伸びきった草木で虫が大量発生する、火災等を起こすきっかけとなってしまう、ゴミ捨て場にされて臭気の原因となる等、近隣に迷惑がかかってしまいます。また、オレオレ詐欺等でも話題になりましたが、空き家を犯罪の拠点にされてしまうケースも出てきます。さらに、売却可能な土地をそのままにしておくことで社会経済上の損失になり、景観も損ねることになりますので、空き家というのは自分達の問題ではなく、自分たち以外の問題でもあることを自覚すべきでしょう。

空き家が売却可能なのであれば、なるべく早く処分して、次の利用者へ引き継いであげる義務があると考えます。

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司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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