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不動産の登記簿謄本の読み方
(表題部・甲区・乙区・共同担保目録)

登記簿謄本の読み方

前回の記事では、不動産の登記簿謄本の取り方について解説しました(前回の記事≫不動産の登記簿謄本の取り方)。

今回は一歩進んで、取得した登記簿謄本の読み方について解説していきたいと思います。
不動産の登記簿謄本は一見すると難しく見えますが、大きく区切って部分ごとに読み解くととてもわかりやすく誰でも理解できるはずです。
このページは、初心者向けになっていますので、細かい部分などは割愛して説明すること予めご了承ください。

不動産の登記簿謄本は大きく4つの枠で分かれています

下記は、法務局が掲載している登記簿謄本の見本です。これを参考にして解説していきます。
見本を見たほうがわかりやすいと思いますので、まずはご覧ください。

「見本」と大きく書かれているとおり、これは法務局のホームページにある登記簿謄本の見本例をそのまま掲載したものです。データになっているため少し色が変わってしまっていますが実際の登記簿謄本はもう少し緑がかった色をしています。サイズはA4です。

登記簿謄本の左側を見てください。表題部、甲区、乙区、共同担保目録の4つの枠で構成されています。順に解説します。

表題部

表題部(ひょうだいぶ)には、その不動産の物理的な状況が記載されています。
この中で特に重要な部分は、所在、地番、地目、地積です。ここを見ると、おおよその土地の状況が掴めるはずです。
所在に「特別区南都町一丁目」と書かれていますので、これで土地のおおよその位置を把握できます。
地番は「101番」。地目が「宅地」となっていますので土地は宅地使用ということがわかります。
地積は「300.00㎡」と書かれていますので、この土地がどれくらいの大きさか判断することができます。
ただし、ここの表題部に書かれているのは100%正しい情報とは限らないことに注意が必要です。なぜなら、最後に表題登記がされた日から今までの間に何らかの変動(地目を変更したり分筆したり)があったとしても土地所有者が自ら登記をしない限りこの登記簿に変更の旨が書かれないからです。つまり、その不動産の現況と登記簿は絶対に一致するものではないことを理解する必要があります。
なお、表題登記の内容に変更があった場合には1ヶ月以内にその登記をしなければいけない決まりが一応はありますが、そのルールはそこまで守られていないのが実態です。

権利部(甲区)

この甲区(こうく)には、所有権に関する事項が記載されますので、不動産の所有関係をこの部分で確認することができます。
所有権について書かれているということは、登記簿謄本の中で最も重要な部分が記載されている枠といえます。
この見本を見ていただくと、順位番号1に「所有権保存」と書かれていて、甲野太郎さんの名前があります。ここだけで、平成20年10月15日に甲野太郎さんがこの土地を取得して所有権保存登記を申請したことがわかります。
そして、順位番号2に「所有権移転」とあり、法務五郎さんの名前があります。ここから読み解ける内容は、元々の所有者である甲野太郎さんと法務五郎さんが平成20年10月26日に売買契約を行い、それを原因として、所有権を甲野太郎さんから法務五郎さんへ移転したことがわかります。(登記は売買契約の翌日である平成20年10月27日になされた)
これ以上のことが書かれていませんので、これでこの土地の現在の所有者は法務五郎さんであるという判断ができます。

権利部(乙区)

乙区(おつく)には、所有権以外の権利に関する事項が記載されます。
所有権以外の権利というと実は数多くありますが、「(根)抵当権」だけ知っていれば問題ありません。
抵当権がついているということは、この不動産は何らかの債務の担保に入れられていることがわかります。
見ていただくと、順位番号1に「抵当権設定」とあります。そして権利者その他の事項には、債権額4000万円の債務について書かれています。細かく読み解くと、平成20年11月4日付けで行われた金銭消費貸借契約(お金の貸し借りの契約のこと)の債権者である株式会社南北銀行(南部支店)が平成20年11月12日付第807号の抵当権設定登記をしたことがわかります。
そして契約内容の内訳は、貸したお金が4000万円、利息は年2.60%、損害金は年14.5%、貸したのが株式会社南北銀行で、借りた人が法務五郎さんということが判明します。

これ以外に何も乙区には書かれていませんので、この土地の担保はこの抵当権だけということになります。
なお、借入れたお金を月々支払っていけば残債はどんどん減っていくはずですが、平成20年に貸し付けた4000万円の残債がいま現在いくらかまでは登記簿謄本からはわかりません。

 

共同担保目録

共同担保目録(きょうどうたんぽもくろく)には、その不動産以外にも抵当権等の担保がついている不動産が書かれています。
記号及び番号のところに「(あ)第2340号」とありますので、乙区に書かれていた抵当権についての共同担保目録であることがわかります。
いま見ている登記簿謄本は、表題部に書かれているとおり「特別区南都町一丁目101番の土地」のものです。見ていただくと、番号2に「特別区南都町一丁目101番地 家屋番号101番の建物」と書いてありますので、いま見ている登記簿謄本だけでなく、「特別区南都町一丁目101番地 家屋番号101番の建物」にも共同の担保として抵当権がついていることが判明します。
ここでは記載しませんが、この101番の建物の登記簿謄本を取得すれば土地と同様の抵当権がついていることがわかるはずです。

共同担保目録はこのように、今見ている不動産以外の不動産にも共同(まとめて)で担保として設定されている物件がどの不動産なのかがわかります。
これを応用すれば、物件調査にも使うことができるため、司法書士は共同担保目録から不動産の調査を行うことがあります。

不動産の登記簿謄本はそんなに難しいものではない

ここまで見ていただいたように、不動産の登記簿謄本は4つの枠で構成されています。まとめて見てしまうと、普段見慣れない言葉が目に飛び込んできて混乱してしまうかもしれませんが、この4つの枠に分けてみることを覚えておくといいと思います。
たしかに不動産の登記簿謄本にはもっとも特殊な登記が入っていることがありますし、司法書士じゃないと全く理解できないような担保がついていることも希にあります。しかし、実際の一般的な不動産では、「所有権移転」と「抵当権設定」がついているくらいなもので、難しい登記がされていることはほどんどありません。
たしかに本ページの内容だけでは不確実な部分もありますが、ここに書かれていることだけわかっていれば最低限の「不動産の状況」「いまの所有者が誰なのか」「担保がついているか否か」くらいのことはわかるはずです。
これくらいのことがわかっていれば登記簿謄本は十分に読み解くことはできますので、まずは自分で不動産の登記簿謄本を取得してみて、このページを読みながらでも構いませんので一回読み解いてみるといいかもしれません。
不動産の登記簿謄本の取得方法についてはこちらの記事が参考になると思います。
不動産の登記簿謄本の取り方

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・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
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