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相続税の各種控除・特例について

相続税額を下げられる各種控除や特例

相続税は、原則、個人が死亡した人の財産を相続や遺贈によって取得した財産にかかってきます。

被相続人が死亡時に有していた、現金や預貯金、土地や建物などの不動産、株式など、金銭に見積もることができる経済的価値のあるものはすべてが対象になりますが、相続税の納付金額を下げる様々な控除や特例も用意されています。

今回は、各種控除や特例の中でも代表的なものを説明していきます。(関連記事:相続税の申告方法

小規模宅地等の特例について

小規模宅地等の特例とは、相続や遺贈により取得した宅地等は、被相続人の所有していた宅地等のうち、一定の面積の部分について、一定の要件に応じた割合の金額が評価額から減額されるというものです。
相続税の計算をするときには、相続によって取得した土地がいくらになるか評価をする必要があります。その評価額を減額することで相続税の納付金額を下げることができるのが、「小規模宅地等の特例」になります。この特例をどのように活用するかによって、相続税の負担が大きく変わってきます。

減額割合は「相続開始の直前における宅地等の利用区分」で異なってきます。

  • 被相続人等の居住の用に供されていた宅地等
     要件:特定居住用宅地等※1に該当する宅地等
  • 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で貸付事業以外の事業用の宅地等
     要件:特定事業用宅地等※2に該当する宅地等
  • 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で貸付事業用の宅地等(A)
     要件:特定同族会社事業用宅地等※3に該当する宅地等(一定の法人の事業の用に供されていたものに限ります。)
  • 被相続人等の事業の用に供されていた宅地等で貸付事業用の宅地等(B)
     要件:貸付事業用宅地等※4に該当する宅地等

それぞれの限度面積と減額割合は以下のとおりです。

①限度面積330平方メートル、減額割合80%

②限度面積400平方メートル、減額割合80%

③限度面積400平方メートル、減額割合80%

④限度面積200平方メートル、現学割米50%

①~④の宅地等のうち、いずれか2つ以上の選択をすることができ、その場合には限度面積は最大で合計730平方メートルとなります。

※1 取得者によって要件が異なってきます。

被相続人と同居していた親族の場合、相続開始の時から相続税申告の期限まで、引き続きその家屋に居住し、かつ、その宅地等を相続税申告の期限まで有している人。

被相続人と同居していない親族の場合、①から③全てに該当する場合で、かつ、④及び⑤の要件を満たす人。

①相続開始の時において、被相続人が一時居住被相続人、非居住被相続人又は非居住外国人であり、かつ、取得者が一時居住者又は日本国籍及び日本国内に住所を有していない人ではないこと。

②被相続人に配偶者がいないこと。

③被相続人に、相続開始の直前においてその被相続人の居住の用に供されていた家屋に居住していた親族でその被相続人の相続人(相続放棄があった場合には、その放棄がなかったものとした場合の相続人)である人がいないこと。

④相続開始前3年以内に日本国内にあるその人又はその人の配偶者の所有する家屋(相続開始の直前において被相続人の居住の用に供されていた家屋を除く。)に居住したことがないこと。

⑤その宅地等を相続税申告の期限まで有していること。

取得者が配偶者の場合には要件はありません。

 

※2 その宅地等の上で営まれていた被相続人の事業を相続税申告の期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。また、その宅地等を相続税申告の期限まで有していること。

※3 相続税申告の期限においてその法人の役員であること。また、その宅地等を相続税申告の期限まで有していること。

※4 その宅地等に係る被相続人の貸付事業を相続税申告の期限までに引き継ぎ、かつ、その申告期限までその貸付事業をおこなっていること。また、その宅地等を相続税申告の期限まで有していること。

配偶者控除について

被相続人の配偶者には、「配偶者税額軽減制度」という税額控除があります。いわゆる、配偶者控除というものです。

これは、小規模宅地等の特例と並び、最大の優遇措置といわれています。配偶者が遺産分割や遺贈により実際にもらった正味の遺産額が、『1億6,000万円』か『配偶者の法定相続分相当額』の金額のどちらか多い額までは配偶者に相続税はかからないというものです。配偶者が相続する遺産額が1億6,000万円までであれば相続税はかからず、また、1億6,000万円を超えても法定相続分の範囲内であれば、相続税はかからないということです。具体例をあげて説明します。

夫が死亡して、妻と子が相続。遺産総額は2億3,000万円。

◆配偶者控除
①1億6,000万円、②配偶者の法定相続分相当額
妻の法定相続分は2億3,000万円の2分の1=1億1,500万円。
この場合、①の方が多いため、1億6,000万円以下であれば、妻に相続税はかかりません。

配偶者控除の制度は、残された配偶者の生活保障や遺産形成に貢献した内助の功などを配慮したものとなっており、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産を基に計算されます。したがって、相続税申告の期限までに配偶者に分割されていない財産は、配偶者控除の対象にはなりません。(申告期限までに分割されなかった財産でも、申告期限から3年以内に分割をしたときは、控除の対象になります。)

また、やむを得ない事情などがあり税務署長の承認を受けた場合には、その事情がなくなった後4ヶ月以内に分割をされたときも、控除の対象になります。

未成年者控除と障害者控除について

未成年者控除とは、相続人の年齢が未成年(20歳未満)のときには、成人に達するまでの1年につき10万円が相続税額から控除される制度です。(1年未満の期間があるときには、切り上げて1年として計算します。)

例えば、相続が発生した時に子供が15歳だった場合には、

「10万円×(20歳-15歳)=50万円」が、相続税額から控除されることになります。

 

障害者控除とは、相続人が85歳未満の障害者の場合には、85歳になるまでの1年につき10万円が相続税額から控除される制度です。(特別障害者の場合には、20万円となります。)

障害者控除額が、その障害者本人の相続税額よりも大きいため控除額の全額が引き切れないときは、その部分の金額をその障害者の扶養義務者の相続税額から差し引きます。

相続税の申告を怠った場合のペナルティ

ここまで、相続税についての各種控除や特例について解説をしてきました。これらの控除や特例は、あくまでの期限内に適切に相続税の申告をした場合を前提としています。
実は、期限を過ぎて申告をしてしまった場合には控除や特例が使えなくなることがあります。相続税申告期限を過ぎてしまった場合のペナルティについては次の記事が参考になると思いますので、ご覧ください。
相続税の申告・納付を怠ったら

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36.生前でも相続放棄できるのか
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41.相続関係から離脱するためには
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43.秘密証書遺言とは
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45.家庭裁判所での遺言書の検認手続き
46.自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
47.遺言があっても遺産分割できるのか
48.特別受益とは
49.換価分割とは
50.代償分割とは

51.銀行が故人の預金口座を凍結するタイミング
52.相続した預貯金口座の解約方法
53.相続税申告のための残高証明書と取引明細の取得方法
54.株式の相続手続きについて
55.改正による旧相続税と新相続税の比較
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司法書士・行政書士 吉田隼哉

・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数

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