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相続した不動産の共有持分だけ売却できるか

不動産の「単有」と「共有」

不動産の所有者を表す意味で、「単有」と「共有」があります。
「単有」は単独所有、「共有は」共同所有です。単有は所有者が1人のみですが、共有の場合には所有者が複数います。

不動産の共有は、相続で取得した場合、夫婦間でお金を出しあって購入した場合などにおいて多くみられます。
不動産を相続する際に共有の持分のみ相続することがよくありますが、これはどういうことかというと、具体例をあげて説明します。

父が亡くなり不動産を相続しました。この不動産は元々父と母の共有名義であり、その持分は、父と母ともに「2分の1」でした。子1人が、父の持分「2分の1」を相続し、その結果この不動産は、母と子それぞれ「2分の1」の共有ということになります。
このように、父の持分「2分の1」のみを相続することを共有の持分のみを相続するといいます。
※この場合の持分「2分の1」とは、土地の面積を2分の1ずつ所有しているという意味ではなく、不動産を所有する権利を2分の1ずつ持っているという意味です。

不動産の共有持分の売却は難しい

共有している不動産を売却するためには所有者全員の同意が必要になります。誰かひとりでも反対しているものがいる場合には、売却することはできません。その不動産は一つしか存在しないためです。

≪民法251条≫
「各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。」

ただし、自分の持分だけを売却することは可能です。他の所有者の承諾は必要ありません。

≪民法206条≫
「所有者は、法令の範囲内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。」

共有持分の売却の時でも単有の売却の時でも、手続きや手順などは同じです。
通常通り、売買契約を結び代金交付、その後に登記名義の変更となります。(この場合の不動産移転登記は、所有権全部の移転登記ではなく、共有持分の移転登記となります。)
しかし、現状は持分の売却をすることは難しいと言われています。一般的に考えて、普通は持分だけを買う人はいません。買ったとしてもその不動産には他にも持分を共有している者がいるため自由に使うことができないからです。

個人で買ってくれる方はなかなかいないと思います。そのような場合には、共有持分のみを買い取ってくれる特殊な不動産業者がありますので、その不動産業者にあたってみるのが良い方法といえるでしょう。業者であれば、自ら買主を探す手間も省けますし、早期に売却することが可能です。

持分のみ売却できたとしても相当安い買取価格となる

共有持分のみを買い取ってくれる不動産業者が無事見つかって売却まで話が進んだとしても、買取価格は相当安い金額になることはあらかじめ覚悟しておくべきです。
単純に時価の持分割合で売却できるわけではありません。
例えば、時価5000万円の不動産の持分2分の1を売却した場合には、必ず2500万円で売却できるわけではありません。
通常、共有持分の売却は、一般市場価格の1~3割程度になると言われています。その理由としては、共有持分だけを買ってもその不動産を自由に使うことができないためです。また、過去の取引事例が極めて少なく指標となる取引価格がないため、不動産業者にかなり廉価に買い取られてしまうということがあります。以下が、持分の時のメリットとデメリットです。

◆メリット
・他の共有者の承諾を得る必要がない
・分筆や名義に関して考える必要がない

◆デメリット
・かなり安い価格での買取となってしまう
・売却までに時間がかかってしまう
・他の共有者とトラブルになりやすい

持分を共有者の誰かへ売却する

他の共有者に自分の持分を売却する方法があります。
自ら共有者に買取をお願いしたり、共有者から売ってほしいとお願いされる場合などです。
第三者へ自分の持分の売却をする場合には、いろいろなデメリットやトラブルなどのリスクが考えられましたが、共有者に売却するのであればそのリスクはかなり軽減すると思われます。話し合いがスムーズにいけば早期に売却することができるでしょう。
その反面、共有者と考えが合わず、話し合いが難航すれば売却は難しくなります。
また、共有者の中で反対している者がいる場合にはこの方法は使えません。

持分の割合に応じて分筆して売却する

相続した不動産が土地の場合、共有者の持分の割合ごとに分筆をして、この部分(面積)はAさん、この部分(面積)はBさんと、境界を明確にして、その後に自分の名義の部分だけを売却する方法もあります。(分筆とは、一筆の土地を複数の土地に分割すること。境界とは、土地の所有権が及ぶ区画のこと。)
土地家屋調査士に分筆の依頼をして行ってもらいますので、費用がかかってしまうというデメリットがあります。この場合においても、共有者の承諾がなければできないことですので、事前に共有者との話し合いが重要になってくるでしょう。

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​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
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