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相続が発生して相続税の申告が必要となる場合には、被相続人の預貯金を証明するための添付書類として、「残高証明書」や「取引明細」が必要となります。
被相続人が生前に利用していた金融機関で取得することが可能です。金融機関の各支店窓口で対応しています。ネット銀行の場合には、原則、支店が存在しないため電話や郵送でのやり取りになるでしょう。
残高証明書、取引明細の発行手続きができる人は限られています。相続人、遺言執行者、相続財産管理人であれば請求は可能です。
どこの金融機関を利用していたか把握していない場合には、預貯金通帳やキャッシュカードなどで確認をしましょう。他にも、金融機関からの被相続人宛の郵便物や、借り入れなどをしていた場合には、契約書、返済予定表などからもその金融機関を知ることは可能です。(関連記事:銀行が故人の預金口座を凍結するタイミング 相続した預貯金口座の解約方法)
残高証明書を取得する際には取得日に注意が必要です。
取得日は、被相続人の死亡日のものとなります。相続税の計算の時に用いられる預金の価格が、相続開始日(死亡日)現在の預金残高とその日までの経過利子の金額との合計額となるからです。
金融機関によっては、何も言わずとも「残高証明書を必要ですか?」と聞いてくれるところもありますが、経験上はこちらから残高証明書の話をしないと発行してくれることはありませんので、忘れずに残高証明書が必要ということをはっきりと伝えるようにしましょう。
窓口担当の方も慣れていますので、相続に使う残高証明書なら死亡日のものが必要だと認識してくれるはずです。
※死亡日が「推定平成〇年〇月〇日から〇日までの間」の場合
孤独死等の場合で死亡日がわからないようなケースでは、このような推定死亡日となることがあります。この場合については、全ての金融機関で最初の日か最後の日のいずれかに統一して取得すれば差し支えないものと思われますが、相続税申告がある場合には税理士へ確認しながら取得した方が間違いないです。
取引明細は一般的に過去5年分程度の取得が必要になります。取引明細を提出する意味としては、不自然な預貯金の出入りがないかを確認するためです。例えば、相続開始の3年以内の生前贈与は相続税の課税の対象となります。こういったお金の流れを確認するために、過去5年分程度の取引明細が必要になってきます。
また、二次的な効果として、保険料などの引き落とし記録から、相続人が把握していなかった生命保険への加入などが判明するケースや、登記記録ではわからなかった土地や建物などの不動産の賃借権が判明することもあるようです。残高証明書と取引明細は、相続税の申告の添付書類として税務署に提出します。
残高証明書、取引明細の取得には手数料が発生します。各金融機関により手数料はまちまちです。残高証明書は安いところで1通432円(税込)~となっており、他には、540円、756円、864円、それ以上と、金融機関ごとで異なりますので注意が必要です。ネット銀行や郵貯銀行などは他の金融機関と比べても比較的安い手数料となっているようです。取引明細は、証明機関によって手数料が異なってくる金融機関が多いようですので、一度問い合わせてみるのが良いでしょう。
発行までの日数は約1週間~2週間ほどを要し、自宅への郵送も可能となっています。
また、相続の発生による取得の場合には、発行手続きの際に準備が必要なものがあります。戸籍謄本や被相続人がなくなったことが確認できる書類、発行手続きに来た者が相続人、遺言執行者、相続財産管理人であること確認できる書類が必要です。他には、発行手続きに来た者の実印及び印鑑登録証明、被相続人の通帳、キャッシュカードも必要になってきます。
※高額な取引明細の取得手数料が発生する金融機関に注意
残高証明書については、おおよそ数百円程度の金額で取得できますが、取引明細については数万円もの高額になる場合があるので注意が必要です。例えば、みずほ銀行は月216円(税込)なので、5年分を取得すれば1口座につき12,960円もかかります。これが、他の支店にも口座を持っていたりすれば12,960円×口座の数分が必要となりますので、かなり高額な取得手数料になってしまいます。
残高証明書については、被相続人の死亡日の価格を証明することができるため、遺産分割協議の話し合いの際にも使うことができます。遺産分割協議の際には、前提として、被相続人の相続財産を正確に調べておく必要があります。当然に、預貯金も把握しておかなければなりません。この場合の「預貯金」とは、被相続人の死亡日の残高になります。相続税の申告の時と同じです。ですから、相続税の申告の際に税務署に添付書類として提出する「残高証明書」と、遺産分割協議の際に使用する「残高証明書」は同じということになります。(関連記事:遺産分割協議の流れ・進め方)
この記事の監修者
司法書士・行政書士法人よしだ法務事務所 代表 吉田隼哉
開業当初より、相続の分野を専門として業務を行う。
得意分野は「不動産を含む相続手続き」。テレビ「NHKクローズアップ現代」や雑誌プレジデント・AERA等の執筆、メディア実績多数。情報番組での空き家問題の取材実績あり。
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8.内縁の妻(夫)にも相続権はあるのか
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11.相続人の中に未成年者がいるケースの相続まとめ
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13.相続欠格とは
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16.遠方の戸籍謄本の取り寄せ方法
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19.死亡退職金は相続税の課税対象か
20.相続開始後のアパート賃料は遺産分割の対象か
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22.香典や弔慰金は相続財産となるのか
23.借金(債務)は必ず相続するのか
24.故人の債務・借金の調査方法
25.病院代等の医療費の支払い義務は相続するのか
26.葬儀費用は相続するのか
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28.限定承認とは
29.相続放棄とは
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31.相続放棄の3ヶ月熟慮期間の伸長
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42.自筆証書遺言とは
43.秘密証書遺言とは
44.公正証書遺言とは
45.家庭裁判所での遺言書の検認手続き
46.自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
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48.特別受益とは
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78.遺産分割調停とは
79.包括遺贈と特定遺贈の違い
80.遺贈と死因贈与の違い
81.除籍謄本と改製原戸籍
82.資格者による戸籍謄本等の職権取得
83.疎遠な相続人との遺産分割
84.成年後見制度とは
85.相続した預貯金口座の調べ方
86.期限付きの相続手続きまとめ
87.遺産分割協議書と遺産分割証明書の違い
88.公正証書遺言の検索方法・調査
89.法定相続情報証明制度とは
90.法定相続情報証明制度の問題点と今後
91.高齢者消除と相続
92.同時に死亡した場合の相続関係
93.準正とは
94.再転相続とは
95.相続財産管理人とは
96.遺留分減殺請求権の行使
97.戸籍と住民票の保管期限
98.相続分の譲渡とは
99.いらない土地を相続放棄できるか
≫実家を亡父親から母親名義に変更する相続登記
≫亡くなった母親から長女へ名義変更をする
≫公正証書遺言が残されていた場合の相続登記
≫5年前に亡くなった父親の相続登記
≫亡くなった兄から名義変更する相続登記
≫田舎にある実家の相続登記
≫父親が残した自筆証書遺言での相続登記
≫亡くなった叔父の自宅の相続登記
≫未成年者が相続人にいるケースの相続登記
≫地主だった父親名義の不動産を相続登記
≫相続した未登記建物の名義変更
≫代位による相続登記後に遺産分割した相続登記
≫母親と父親が順に亡くなった場合の相続登記
≫一部の相続人が相続放棄した場合の相続登記
≫相続した対象不動産がよくわからない相続登記
≫家裁で検認した遺言書を使わずに相続登記
≫売却の前提としての相続登記
≫登記済権利証が見つからない場合の相続登記
≫自宅と原野の相続登記
≫孤独死で亡くなった叔父の自宅を相続登記
1.父親名義の実家を母親に変更したい
2.亡くなった母名義のマンションを名義変更したい
3.父から相続した二世帯住宅の名義変更をしたい
4.単独相続した母親のマンションを名義変更
5.兄から相続した遠方の不動産を名義変更したい
6.父と母が順に亡くなった場合の不動産名義変更
7.叔母から代襲相続したマンションの名義変更
8.父がのこした公正証書遺言での不動産名義変更
9.実家と別荘の不動産名義変更をしたい
10.上物(建物)は自分名義のため土地のみ名義変更
11.権利証を紛失した不動産の名義変更
12.売却の前提として至急の不動産名義変更
13.未成年者がいる場合の相続した不動産名義変更
14.相続税申告が絡む不動産名義変更
15.相続人が12人いる場合の不動産名義変更
16.相続人の1人が相続放棄した後の不動産名義変更
17.遺贈により相続人以外が取得したマンションの名義変更
18.対象不動産が不明な場合の相続登記
19.一筆の土地を分けて兄弟がそれぞれ相続する事例
20.複数ある不動産を遺産分割で相続人が分けて名義変更
1.兄弟で相続した不動産を売却して代金を分けたい
2.父親が他界したので実家を売却して姉妹で分割したい
3.兄弟3人が相続した実家を換価分割する
4.遠方の相続人がいる場合に実家を換価分割したい
5.空き家の3000万円控除を使って売却する
6.事故物件となったマンションを売却したい
7.税金滞納で差し押さえられた相続不動産を売却したい
8.相続した地方の実家を換価分割したい
9.相続人が多数いる場合に換価分割するケース
10.スムーズに相続した実家を換価分割したい
11.相続した定期借地上の建物を売却して解決した事例
12.相続した不要な土地と自宅をまとめて売却
13.入居者がいる相続したアパートを売却して換価分割
14.月極駐車場で貸している土地を換価分割
15.自殺があった相続不動産を売却して換価分割
16.不仲な姉妹共有の相続不動産を売却
17.相続放棄を検討していた家を売却
18.孤独死があった家を相続して売却換価
19.公正証書遺言の内容に従って換価分割
20.平等に姉妹で相続した不動産を売却して分割
・司法書士よしだ法務事務所 代表
・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長
「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
【保有国家資格】
司法書士、簡易訴訟代理権認定、行政書士、ファイナンシャルプランナー、宅地建物取引主任者、他多数
神奈川・東京・千葉・埼玉を基本エリアとして日本全国の相続不動産に対応
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