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不動産名義変更は所有権移転登記?

不動産名義変更の正しい言い回し

不動産名義変更と聞けば、不動産の名義書き換えのことだなと皆さんは認識されるはずです。
そのとおりです。間違っていません。
しかし、『不動産名義変更』や『不動産名義書換』という言葉は実はあくまで一般の方がわかりやすいような表現を使っているだけにすぎず正式な法律用語ではありません。
これら不動産の名義変更ないしは名義書換のことを、正しくは所有権移転登記のことを指すってご存知でしたか?
(関連記事:不動産名義変更の心構え

不動産名義変更という言葉は正しくない?!

不動産名義変更という言葉は、非常にわかりやすく単純明快です。誰が聞いても「不動産の名義を変更することなんだな」と理解できると思います。
しかし、法律の世界で言えば不動産名義変更という言葉は正しくありません。

法律上の考えも合わせて説明していきますので、しっかり理解をしてください。
まず前提として必ず頭に入れておかなければいけないことがあります。下記をご覧ください。

不動産名義変更をするためには、法律上の何らか原因が生じたことにより、所有権が移転することが必要となる

不動産名義変更を行う場合には、ただ何となく名義を変更したいとか、自分が親の家に住んでるから自分名義にしておきたいとか、そんな理由では名義を変更することができません。あくまでも法律上の原因が生じたことが必要になります。この法律上の原因と言われるとは、民法に規定があるものをいいます。

では、他しく理解するために例に挙げた「相続」「売買」「贈与」の根拠条文を見てみましょう。

【相続の根拠条文】

民法第882条(相続開始の原因)
相続は、死亡によって開始する。

民法第896条(相続の一般的効力)
相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。

【売買の根拠条文】

民法第555条(売買)
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

【贈与の根拠条文】

民法第549条(贈与)
贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。

所有権移転には法律上の原因が必要

相続なら、相続開始の時から被相続人の財産を相続人が承継すると書いてあります。そして相続は死亡によって開始するとも書いてありますので、死亡日に相続によって所有権が移転することになります。
売買や贈与も同様です。約し約されることで契約が成立して所有権が移転するわけですから契約日に売買又は贈与によって所有権が移転するわけです。
このように、不動産名義変更を行うということは法律上の何らかの原因が生じたことによって所有権が移転することが必要になります。
ただ何となく名義を変更したいといった理由では駄目です。それは、なんとなく名義を変更したいという理由は法律行為ではないからです。

不動産名義変更という言葉は間違えてはいませんが、正しくはありません。法律の条文に、法律行為があったときに不動産名義変更が発生するとは書かれていないからです。

正しく言えば不動産名義変更は所有権移転登記のことを言っていると解して差し支えないです。(関連記事:相続以外の不動産名義変更の種類

不動産名義変更という言葉を使っても問題ありません

結論を言えば、正しく「○○を原因として所有権移転登記をする。」と言ってもいいですが、そんな言葉を使ってもわかりにくいので、「不動産名義変更をする。」といったわかりやすい言葉を使っても問題はないです。
我々のような登記実務を行う司法書士や法務局の人も、不動産名義変更という言葉が所有権移転登記のことを言っているんだなと理解していますし、わかりやすい言葉を使っていただけるのが一番いいと思います。

このサイトも司法書士が作成していますが、不動産名義変更という言葉を多用して使っています。理由としては、一般の方に広く馴染みのある言葉を使った方が理解しやすいし、わかりやすいからです。
私は法律の言葉しか使わない!なんて頭の固いことを言わずに、なるべく易しく噛み砕いた表現を使って説明することも司法書士の役割だと思っています。
ここで不動産名義変更のことを深く言及したので、他の記事を読むときは不動産名義変更は所有権移転登記のことを言っているんだと頭の片隅に置いて記事を読むのもいいかもしれません。登記のことを深くまで理解する必要はありませんが、不動産の名義変更をする前提知識として知っておくといいでしょう。
(関連記事:不動産の登記簿謄本の読み方

司法書士がいう名義変更登記は「登記名義人表示変更登記」

余談にはなりますが、司法書士が考えるところの名義変更登記は、「登記名義人表示変更登記」(いわゆる住所変更登記や氏名変更登記といった名変登記)のことを言います。

登記実務上の話で、名義変更登記というのは所有権移転が絡まないような登記名義人の変更登記のことを指しますので、司法書士同士の会話で言えば「名義変更登記」といえば、これら表示変更登記のことを言っていることになります。
司法書士同士では不動産名義変更という言葉を使いませんので、専門家間では、あえてわかりやすい表現を使わず法律上の正しい専門用語で話をすることになります。(関連記事:
住所(氏名)変更登記とは

 なお、「相続」「不動産売却」「不動産名義変更」のことをもっと詳しく知りたいお客様のために、相続と不動産に関する情報・初心者向けの基礎知識や応用知識・登記申請書の見本・参考資料・書式・ひな形のことなど、当サイト内にある全てのコンテンツを網羅的に詰め込んだ総まとめページをご用意しましたので、画像かリンクをクリックしていただき、そのページへお進みください。

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25.
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9.行方不明の相続人がいるケースの遺産分割
10.認知症の相続人がいるケースの遺産分割

11.相続人の中に未成年者がいるケースの相続まとめ
12.特別代理人の選任申立ての方法
13.相続欠格とは
14.相続人廃除とは
15.戸籍謄本とは
16.遠方の戸籍謄本の取り寄せ方法
17.相続財産に含まれるもの
18
生命保険金は相続税の課税対象か
19.死亡退職金は相続税の課税対象か
20.相続開始後のアパート賃料は遺産分割の対象か

21.名義預金と相続税について
22.香典や弔慰金は相続財産となるのか
23.借金(債務)は必ず相続するのか
24.故人の債務・借金の調査方法
25.病院代等の医療費の支払い義務は相続するのか
26.葬儀費用は相続するのか
27.単純承認とは
28.限定承認とは
29.相続放棄とは
30.家庭裁判所への相続放棄の申述方法 

31.相続放棄の3ヶ月熟慮期間の伸長
32.3ヶ月経過後の相続放棄
33.相続放棄の取り消し・撤回
34.相続放棄と生命保険金
35.相続放棄と空き家の管理責任
36.生前でも相続放棄できるのか
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46.自筆証書遺言と公正証書遺言の比較
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・司法書士よしだ法務事務所 代表
​・行政書士法人よしだ法務事務所 代表
・NPO法人よこはま相続センター 理事
・一般社団法人相続の窓口 事務長

「開業当初より相続分野に積極的に取り組んでおります。遺産承継業務や遺言執行といった財産管理を得意としております。相続のことならお任せください!」
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